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個人懇談

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 先週は、娘(日本では中3。NZの高校は5年制で、日本の中2から高3に相当)が通う高校の個人懇談がありました。私が日本で25年前に通っていた高校とは随分仕組みが違うのでご紹介。

 まず、個人懇談の日までに、専門サイトで予約を取るよう、学校からメールが来ます(学校からのお知らせは、親のサインが必要な書類以外は今年度からほとんどメールになりました)。このサイトにアクセスして、懇談を希望する先生を1人5分の枠でポチッとクリックして予約します。小学校・中学校は担任1人と懇談すれば良かったのですが、科目ごとに先生が異なる高校では科目それぞれの先生との懇談になります。今、ふと思ったのですが、ネットで予約できるようになるまでは、どうやって割り振っていたのでしょうか? さぞかし煩雑だったろうなあ。
 
 子供が取っている科目全てについて懇談する必要はなく、親は懇談したい教科を選択します。いくつ選ぶかは親次第。昨年は高校1年目ということで、とりあえず全ての教科の先生にお話を伺いましたが(Dramaなんて一体なんのための科目か今ひとつ分からなかったりしたので)、今年はメインの教科だけにすることにしました。

 結局、娘と相談して、Chinese(中国語)、English(日本でいう国語)、Maths(数学)、Science(理科)、Social Studies(社会)を予約しました。Art(美術)やReligious Education(宗教。カトリックの学校なので必須)などは見送り。

 娘のクラス担任の先生の教科は体育なので、科目的には特に必要でなかったのですが、クラスでの様子を聞こうかと予約しようとしたら、前半の時間はすでに予約がいっぱいでした(予約開始が3時からで、忘れていたのでその日の夜中にアクセスした)。5時以降の後半はいくつか枠があったのですが、娘を日本語補習校に送っていく必要があったのであきらめました。

 当日は予約した時間割に従って、それぞれの先生がいる教室を行ったり、来たり。5分ごとにベルが鳴るのが合図です。

 それぞれの先生とまずFirst Nameを名乗り合い、先生の方から現在までの様子と今後の予定などの説明を受け、親から質問があればします。たった5分ですが、具体的な課題やがんばっている様子が分かります。私はNZの学校に通ったことがないので、先生から説明を受けて、「ああ、そういうことが求められているのか」と分かることもあります。

 例えばSocial Studiesでは、前回の課題(死刑制度に関するレポート)で、なんと、最初はNot Achieved(落第)だったことが判明。再提出のチャンスをもらってなんとかAchieved(及第。その上がMerit、一番いいのがExcelence)だったので、何が問題だったのかを教えてもらいました。まず、Definition(定義)が学校の決められたフォーマットでできていない。さらにTopicの数が足りない。Excelenceをもらうには4つのTopicを挙げて、少なくとも2つを掘り下げる必要がある。娘はなんとか1つのTopicを再提出で織り込んだが、表面的すぎて考察が足りない。とのことでした。次の課題はMigration(移民)だそうで、きちんとデータで裏付けて説明しなさい、というアドバイスをもらいました。

 日本の社会科は暗記が中心、というイメージですが、こちらのSocial Studiesはリサーチをして、自分の意見を構成していく、という科目なので、大きく違うと思います。

 懇談に来ているのは母親が多かったですが、父親も結構います。あと、夫婦連れだって、というパターンも多かったです。これは娘が通う私立高校に限らず、公立の小学校、中学校もそうでした。私の学生時代は、父親が来るなんて考えられなかったですが、今の日本はどうなのかな。

 ということで、懇談一つとっても、国によってやり方が違うというご紹介でした。娘が幼稚園、小学校、中学校、高校と進んでいくのに合わせて、自分の学生生活とは違う要素を親もいろいろと経験していくことができます(せざるを得ない!)。

 

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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