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Blackout

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 電力不足による停電のことを英語でBlackoutといいます。ニュージーランドでは、停電は珍しいことではありません。記憶に新しいところでは、2006年6月にオークランド中が数日間停電になり、大騒ぎになりました。私も日本への納品があったので、結構あせったのを覚えています。
 このときの原因は、ハミルトン方面からオークランド市への送電線が大風で切れてしまったためでした。
 これほど大規模な停電は珍しいですが、ちょっとした停電は「ああ、またか」という感じであります。夜に家にいる時に停電になると、まずすることは、外のチェック。近所もまっくらになっていれば、安心。我が家の電気設備が壊れたわけではなく、地域の送電の問題なので、じきに電気会社が来て直してくれます。
 昼間の停電もかなりあって、車を運転していて信号が止まっている、という情景は珍しくありません。それも、かなり大きい交差点でも、朝のラッシュアワーに平気で信号が止まってしまいます。最初に遭遇した時は非常にあせりました(高速の入口の大きな交差点でした!)が、今は落ち着いたものです。なぜなら、とても不思議なのですが、信号がなくても、あうんの呼吸で、車は行き来しているからです。波に乗りさえすれば、右折も大丈夫。
 また、そもそもNZには、信号の代わりに、ラウンドアバウトといって、丸いロータリーの回りを回る交差点もたくさんあります。右から来る車が優先、というルールの下に、何本も道が交わる巨大なラウンドアバウトでも整然と車が流れます。これなら停電も関係ありません。
 ただ、私が知っているラウンドアバウトで、これは危険だろう、目が4つないと、すべての車の動きを把握できないだろう、というラウンドアバウトがあって、ここを通らないで済むように遠回りしたりしています。新聞でも、以前に、このラウンドアバウトの事故率の多さが報道されていたほどですが、今のところ、信号に切り替える話は出ていないようです。
 ニュージーランドは非核国家宣言をしており、原子力発電はありません。総発電量の70%を風力・水力・地熱発電で作り出していますが、IT化によって電気使用量が急増し、主に移民によって人口が増加し、施設の老朽化に伴って、特にニュージーランド最大の都市、オークランドでは近い将来の電気不足が懸念されています。
 なので、今後も停電が減ることはないんだろうな、と思います。慣れてきたとは言え、先週の土曜日の夜中、さあ、シャワーを浴びましょ、と思って洋服を脱いだところで、いきなりドスッと音がして、停電になったのにはびっくりしました。
 夫は出張中、娘はお友達のおうちにお泊まりで、たった独りだったので、なんとか手探りでパジャマに着替え、携帯電話の明かりで洗面を済ませたのでした。シャワーの真っ最中でなくて、良かったです。
 外を見たら電気はすべて消えていて、近所中が停電だったので、果報は寝て待て、と、ベッドに入って、朝、起きたら直っていました。ただ、オーブンのタイマーがまだチカチカしているのですが、夫しか直せないので、出張から帰ってくる2週間後まで、チカチカし続ける見込みです。
 

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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