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腑に落ちた

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 今週のいぬさんのお話を読んで、文字通り、「腑に落ちた」感じです。ちょうどこの前日、夫と夕食時に次の会話をしたところだったのです。夫は、オークランドの留学エージェント会社で働いており、ホームステイや学校手配など、日本人のニュージーランド滞在をケアしています。

夫:今日は、昨日着いたお客さんがオフィスに来たんだけど、泣いてたよ。
私:また? 
夫:ホームシックみたいなものだと思う。
私:だって、昨日着いたばかりなのに?
夫:よくあることだよ。
私:・・・。何歳?
夫:25歳。
私:どう言って泣くの?
夫:英語が分からないんだって。
私:だって、英語勉強しに来たんでしょ? 
夫:でも、全然分からないんだよ。
私:それで、どうしたの?
夫:「分かる、分かる、辛いよね。でも、大丈夫。ぜーったいに、乗り越えられるから」って励ますんだ。
私:(心から感心して)なるほど、そうやって対応するんだ! 私には留学カウンセラーの仕事は絶対無理だわ。
 
 夫はお客さんである若者との接触機会が多いので、泣かれることに対して、もう違和感がないみたいで、私が「なんで泣くの?」と聞いても、「最近の若者は泣くものなんだよ」という答えしか帰ってきません。でも、若いとはいえ、いい大人が泣く! というのがどうにも分からなかったのです。難民で強制送還されたわけではなく、本人が希望して来ているのに、しかも小学生・中学生ではなく、しかもたった1日で号泣する心理状態って、どいういうこと?と非常に疑問だったのでした。
 「でも私は、キウイの家庭にホームステイをしたこともないし、独りきりになったこともないから、つらさが理解できないものなのか」と思っていましたが、いぬさんの紹介された本の中の「ピースボート」を「NZでの英語の勉強」に置き換えると、すとんと理解できました。
 ちなみに夫の話を日々聞いていると、涙を乗り越え、無事に予定どおりの日程を楽しんで過ごし、「最初のころは泣いてたよー、ハハハ」というタイプと、涙がとまらなくて、そのまま数日間滞在しただけで結局、すべてをキャンセルして帰ってしまうタイプに分けられるようです。
 

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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