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ある翻訳家の一週間日記

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通訳・翻訳者リレーブログ

●10月31日(日)
昼間〜夜間: 来月発売予定の、写真集の翻訳作業。ひと晩寝かしてあった完成原稿を、じっくり見直し⇒写真家へ入稿。この写真集、このところずっと頭の中にあり、とても大事にしてきたもの。専門の音楽とは異なる内容のため、いつもとは違う部分の脳味噌、びゅんびゅんフル稼働。
☆☆原稿を寝かす=とても大事なこと。これをやることにより、上がりの原稿の質が確実に上がる。

●11月1日(月)
気分転換: しばしの読書。いまは松本清張。あまり夢中になると、止まらなくなるタイプゆえ、一度に数ページだけ…と決めている。よって、なかなか終わらず。“まるで日本の歯医者みたいだなぁ”…とまぁこれは余談。それにしても、昔の作家の書く文章は、本当にきれい。古さをまるで感じない。ただし例えば、“女は家にいろ!”と怒鳴る親父が登場し、“そんなアホな!”と突っ込みを入れたくなったり、“雑誌社の婦人記者”と、“そんな人達”との交際を快く思っていない人が登場し、元編集部員としては、“ケッ!”と思ったりはするが〜(・_・;)
☆☆気分転換=とても大切にしている。詰まっていればいるほど。前夜遅くまで原稿書きをしていた場合は、特に。脳味噌が沸騰していること、多々あるので…。
夕刻: 前日入稿の写真集の翻訳に対し、作家サイドから少々訂正が入る。それを元に翻訳文をいじり、再び写真家へ入稿。

●2日(火)
終日: 先週土曜に行なったインタビューの、起こし原稿書き開始⇒完了⇒見直し⇒音楽雑誌担当編集部員へ入稿(約30分・計21枚)。
☆☆自分で行なったインタビューの起こし作業=その時その場の空気感を、しっかり把握しているので、非常にスムーズに短時間でこなせる。
夜中: このブログを書く。テーマは“錦秋の日光”。

●3日(水)
世の人々は祭日。確か。でも哀しきフリーランサー、まるで関係のないこと。
終日: 音楽雑誌より依頼された、インタビュー・テープ起こし原稿書き開始⇒完了⇒見直し⇒担当編集部員へ入稿(約20分・計17枚)。
☆☆テープ起こし〜原稿書き=勢いも必要。でもその勢い、出る時と出ない時があり。よって、スケジュールどおりには、なかなかうまくはいかず…。

●4日(木)
昼間: レコード会社より依頼された、インタビュー・テープ起こし原稿書き開始。
夜: 週末の電話インタビューの質問事項作成。完了後、レコード会社担当ディレクターへメール。カナダのこのアーティスト、英語圏出身ではないため、英語には自信がないので、質問を事前に確認したい…とのリクエストがあり。
☆☆インタビュー相手=英語圏ではない人も、数多く経験しているが、みんな英語は堪能(聞き取り難い発音は数知れず…ですが〜(・_・;))。よって、これは生まれて初めてのケース。

●5日(金)
昼間: 昨日から取り組んでいた、インタビュー・テープ起こし原稿書き完了⇒見直し⇒レコード会社担当ディレクターへ入稿(約30分・計18枚)。
息抜き: 某週刊誌を読む。“忙しい忙しいと、予定ぎっしりの手帳片手に、走り回っているひとで、体調を崩したり大病を患うひとは、不思議とそう多くはない”…なる文章が目に留まる。そういう友人がけっこういるので、心配していたところ。ふむふむ、そーなのですか! ちょっと安心する。
夜: スウェーデン出身ハード・ロック・バンド、新譜歌詞対訳作業開始(2曲のみ)。

●6日(土)
昼間: 引き続き、ハード・ロック・バンド新譜歌詞対訳作業。脳味噌、どうしても上手く起動せず。完了したのは僅か3曲。目標の5曲には及ばず。
夕刻: 先週取り組んでいた新譜の歌詞対訳、追加1曲分の作業開始⇒完了⇒見直し⇒レコード会社担当ディレクターへ入稿。
☆☆追加原稿=歌詞対訳追加1—2曲、急遽頼まれること、時々あり。入稿した時点で気持ちが切れるので、こうした追加作業は、なかなか大変。できればやりたくない…といつも思う。
夜中: 気分転換に、テレビをつけたところ、AKB48の特集をしていたので、原稿書きの手を休め、しばし“社会勉強”をする。

●7日(日)
午前: 写真集の刷り上がり、宅急便にて写真家より郵送される。
正午: (例の)カナダ出身パワー・メタル・ロック・バンドの電話インタビュー。英語を話すメンバーが、話せないメンバーに通訳しつつの、約40分。当地の音楽事情、英語教育や文化のことなどにも触れた、とても興味深いインタビューとなる。
午後: 引き続き、スウェーデン出身ハード・ロック・バンド、新譜歌詞対訳作業。本日も3曲のみ。どうも脳味噌の動きが鈍い。
☆☆インタビュー終了後の原稿書き=そういう時は、疲れているかハイになっているか。こころあまりそこにあらず。エンジンかけ&集中するまでが、そうとう大変。
夜: 午前中に届いていた、写真集の刷り上がりを、ゾクゾクしながら眺める。写真と照らし合わせながら、丁寧に翻訳の見直し&文字校を行なう。
明け方: 赤入れ箇所を写真家へメール。

●8日(月)
午前: 某アーティストの歌詞対訳二次使用の連絡、レコード会社担当ディレクターから入る。もちろんOKする。
☆☆二次使用・三次使用=知らない内に使われること、けっこうあるので、こうして丁寧に連絡を頂けること、とても嬉しく思うのでR。
正午: 昨日のカナダ・バンドのメンバー名のカタカナ表記、担当者より確認メール入る。しかしフランス語のため、確認後返事する旨伝える。
昼間: 引き続き、ハード・ロック・バンド新譜歌詞対訳作業。本日は5曲。脳味噌、やっと本調子になってきた…か。
夕方: 対訳作業中のスウェーデン・バンドのメンバー名のカタカナ表記、レコード会社担当ディレクターより、確認メール入る。しかし、スウェーデン語のため、確認後返事する旨伝える。
夜: 上記写真集の作家と、メールのやり取り。細部の最終確認。
☆☆いつも痛感すること=その世界の第一線で活躍しているひとは、みんな唸るほどに完璧主義。
真夜中: 写真集の翻訳、確認箇所を写真家にメール。そうして…全作業完了!
☆☆ひとつのものをやり遂げた時の、この満ち足りた思いは、何物にも代えがたい。それにしても、写真家も翻訳家も、夜遅くまでよく働くものだ。好きなこととは言え、感心しきりなのでR〜
(^_^)v

●9日(火)
朝: 写真集の刷り上がり、宅急便にて写真家へ戻す(急ぎなので、明日午前必着)。
昼間: 引き続き、ハード・ロック・バンド新譜歌詞対訳作業。残り3曲。完了⇒見直

⇒レコード会社ディレクターへ入稿(計14曲)。
☆☆ごつごつなロックの英詩=日本語に置き換えるのは、とても難しい。寝かす時間的余裕、今回はなくて少々残念。
夜: 気分転換に、テレビをつけたところ、懐かしの80年代音楽の特集をやっていた。おまけにゲストは、お世話になっている人。原稿書きを中断し、RATTやOZZY OSBOURNEやVAN HALENなどなど、大好きな世界に入り込む。
夜中: 慌てて、このブログを書く。

◆このところずっと、大切な仕事が続いていた。実際に作業してはいない瞬間でも、それが頭から離れることはなく、気持ちが途切れることはなく(具体的に始終あれこれ考えていた…と言う状態では、もちろんないのだけれど)。そうしてそんな日々が、実はとても心地好かったりして…。
でもどんなに忙しい時でも、必ずやることが…。それは、最初と最後はゆったりすること。一日の始めに、しっかり朝食をとり、新聞を読む。そうして一日の終わりに、iPOD+BOSEで、その時々に聴きたい音楽を聴き、読みたい本を読む。

◆このところ数珠繋ぎだった仕事も、あと数日で落ち着く。その後にやりたいこと(やらなければならないこと):
請求書を書く(溜まっている=ギャラが入って来ない)、数カ月分のギャラ振込の確認(振り込んでくれていない会社がある模様=よくあること)、本の注文(カゴが一杯になってきた)、目薬を買う、シーツを買う、羽根布団を修理に出す(猫が爪で穴を開けてしまい、羽がフワフワ出てきている)、部屋の掃除(文庫本が雪崩を起こす頻度、激増中)、読書&映画観賞、奈良&京都・紅葉の旅の申込み(あのホテル、まだ空室あるかな?)、マウンテンバイクで近くの寺&植物園へ巡る(引きこもりが続いたので…)。
しばらくゆっくりすること〜(^−^)

それにしても、このところ一日が短い! そうして一年はあっと言う間。時の流れ、この凄まじく早いペース。これはいったい、何なのですか??
恐ろしい〜〜!!

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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