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School Production

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 気が付けば、あっという間に10月。オークランドの天候は9月は大荒れでしたが、ここにきてようやく、本格的に春めいてきました。日曜日からはDay Light Saving(日本でいう夏時間)が始まり、1時間早まったので、夜は7時近くなっても明るいままです。一番日が長い12月には、9時近くまで明るく、アウトドアを楽しめる時間が長くなります。でも、ついうっかりすると、まだまだ明るいので、夕食の準備をする時間が遅くなってしまいます。
 さて、先週は娘が通う中学校(日本の小6・中1に相当)のProductionがありました。Productionとは、劇をしたり、音楽を演奏したりするもので、冬の時期にあちこちの学校で行われます。日本でいう学芸会、音楽会のようなものですが、大きく異なる点が3つあります。
 一つ目は、公演が1回きりではなく、何度も行われること。娘の学校の場合、3日間連続して夜7時から2時間ほどの公演が行われたうえ、通常の授業の間に、マチネーと称して、近所の小学校の子供たちのための昼間の公演がありました。このため、前の週のリハーサルも合わせて、ダンス2つに出演していた娘は、3日目にはもうへろへろ、という感じでした(仕方がないので、毎朝、登校前にすることになっているウサギのCandyのケージ掃除は、公演期間中だけ、私の役目でした)。
 二つ目の違いは、夜の公演は有料で公開されること。今年のチケットは、大人は一人12ドルでした。全部で一体いくらになるのか分かりませんが、これは学校の収益となります。また、休憩の間に売られるお菓子やジュースも、貴重な収入源です。
 お金を取るだけあって、大人が楽しめる、かなりレベルの高いパフォーマンスです。今年の演目は、「A Waving Flag」と題して、子供たちがトンガ、サモア、中国、インド、マオリなどなど、各民族のダンスを披露しました。これらの国々は、生徒たちの出身国が選ばれていますが、出演者は特に国籍にこだわりはなく、娘はヒップホップと中国舞踊に出演しました。
 日本の踊りとして、YOSAKOIも披露されました。YOSAKOIは、オークランドで活動している日本人グループがあるので、あちこちのイベントで見ることができます(私の場合、YOSAKOIを初めて見たのがオークランドでした・・・)。
 ちなみに、しばらくすると、編集されたDVDが売り出されます。日本も運動会なんかは学校がDVDを販売するようにしたら、親のビデオ撮影場所取りもなくなるし、収益も得られるし、一石二鳥では?
 最後の3つ目の違い、これが日本とは一番大きな違いではないかと私には思えるのですが、Productionに取り組むのは希望者だけであること。日本のように、クラスごと、とか、学年全員で取り組む、というものではありません。やりたい子供が手を挙げ、役目によってはオーディションもあります。メーキャップや音声、ビデオ撮影などの裏方から、出演者まで、すべて希望者のみ。強制は一切ありません。こういうスタンスは、やらされている、という感じがしなくて、私には好ましく思えます。
 

マオリのハカ(戦士による戦いの前の踊り)は、非常に迫力あり

パシフィックの国々の生徒が多い学校なので、衣装も充実

フィナーレは出演者全員が舞台に

<おまけ>
びっくり仰天したのは、パシフィック系の子供たちが舞台に立つと、観客の大人たちが舞台まで上り、お金を貼っていくこと。最初、出演者の子供たちの腕がやけにてかてかしているなあ、と思って見ていたら、お金を貼ってもらうために、ローションを塗っていたのです。20ドル札がずらりと並んだネックレスを付けてもらっている子も。おひねりが学校のProductionで飛び交うとは・・・。いやあ、知らない文化がまだまだあります。さらに、これを学校が文化として認めているところが興味深い。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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