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Punctuation Festival

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 大学は全学部でSemester Brakeに入り、キャンパスはがらんとしています。今週は、Brake中の恒例行事という、「Punctuation Festival」と銘打ったワークショップに行ってきました。これは、3日間、10時から13時までみっちりとPunctuationについて学びましょう、というもの。仕事をしている時も、学校に通い始めてからも、体系的にPunctuationを学んだことがなかったので、なんて素晴らしい機会だと楽しみにしていたものです。
 ただ、授業を受ける前には、Punctuationの説明なんて役には立つだろうけれど、無味乾燥で退屈なはずと思っていたのですが、さにあらず。毎日、参加者をグループに分けて、各グループに与えられたテーマ(私の場合は、1日目がRound Brackets、 2日目がCoordinating Conjunctions、3日目がPossession: exceptions)をもらった資料をもとに20分ほど話し合い、分担を決めて、クラス全体に説明する、という形式が取り入れられていたので、自分も参加するという緊張感がありました。さらに、みんなの説明が非常に分かりやすく(なにしろ自分が理解したことを自分の言葉で説明するわけだから)、イラストを使ったり、寸劇を取り入れたりして、笑いがしょっちゅう生じる楽しい内容でした。そして、それぞれの発表後に、先生がフォローの説明を入れたり、実例を紹介したりして、より理解を深めていきます。
 授業の最初に、「皆さんに説明してもらいます」と言われた時には、どうなることやらとちょっと不安でしたが、今回のセッションにおいては非常に有意義なやり方だったと思います。講義型ではなく、生徒参加型のこういったやり方は、NZでは近年特に重視され、取り入れられているスタイルです。だからみんな慣れていて、うまくこなしたということもあるのでしょう。
 内容自体も、おおよそは知っていることの復習だったとはいえ、形容詞のCoordinate Adjectives (それぞれの形容詞が同じレベルなので、コンマを必要とする。例:Did you read about Macomber’s short, happy life? )とCumulative Adjectives (それぞれの形容詞に順番が発生し、コンマは入れない。例:The former overweight woman told us how she lost fifty-five pounds. )の使い分け(例文はhttp://englishplus.com/grammar/00000072.htmを私が参照しました)、イギリス式とアメリカ式のPunctuationの違いなどを体系的に整理することができました。私が日本で英語を学んだ20年前には、Punctuationというカテゴリーできちんとこういった使い分けを学んだことがなかったのですが、これは日本の英語学習でも少なくとも高校生からは必要な知識だと思います(今はあるのかな?)。
 あと、一番興味深かったのは、Native Speakerの参加者が思ったより多かったこと。40人ほどの参加者のうち、半数以上がNative Speakerでした。そして、彼らは文法からのアプローチに慣れておらず、苦戦していたのが意外でした。「なぜこの使い方はだめなのか」といった説明をするのに、文法用語になじんでいないのでうまく説明できないのです。「でも、私はこの使い方をやっちゃったりしてるわあ。なぜだめなの?」という感じ。Non-Native Speakerの私が説明して、「そっかー、分かったー」と言われると、なんだか不思議な感じでした。
 でも、日本語についての文法知識は、と言われると私も自信がないので、母国語との関係ってそんなものなのでしょうね。以前、日本語を学んでいるキウイに、「日本語の『ん』には、発音が4種類はあることを発見した」と言われて、「そんなばかな、『ん』は『ん』でしょう」と反論したのですが、後で調べたら、彼の方が正しくてびっくり!(日本人は無意識に使い分けている)という経験があります。
 なお、授業を担当されたSusan Carter先生は、その名も「Punc Rocks」というPunctuationに関する本を出版されていて、値段も手頃(24NZドル)なのでぜひ購入しようと思います。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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