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Tribeca Film Festival

昼顔

通訳・翻訳者リレーブログ

ニューヨークでも新型インフルエンザの集団感染があったことから、ニュースなどでもこの話題ばかりを取り上げていますが、閉鎖された学校関係は別にして、実際、外に出てみると人々にそれほどの緊迫感はありません。

なるべく人が多く集まるところには行かないように・・・とのお達しも出ているのですが、4月22日から5月3日までは今や有名になったTribeca Film Festivalが開催中なんです。これを逃す手はないと映画を何本か観てきました。他の曜日のブログ担当者と異なって、毎回遊びの報告で申し訳ないです…。

さて、そのイベントですが、天候にも恵まれ、たくさんの映画ファンが気軽に作品を楽しんでいる様子がなんとも言えず良い感じ。もともとアメリカ同時多発テロで大々的に被害を受けたニューヨークのダウンタウンを活性化させたいとRobert De Niroが中心になって主催したのがこのフェスティバルの始まり。確かに「元気な下町」も徐々に戻ってきて、トライベッカやイーストヴィレッジ界隈のお店も賑わっています。

8年目の2009年はフェスティバルが始まる前から話題でした。公開前の話題作やアカデミー賞受賞作、ドキュメンタリー、ショートフィルム類が多彩なのも一因ですが、やはりWoody Allenの映画「Whatever Works」がオープニングを飾ったのも大きかったようです。世界36カ国から個性的な作品を集められ、そのうち60本以上がこのフェスティバルで初公開です。日本からは「おくりびと」と「歩いても歩いても」の2本が鑑賞できます。

さて、結局、私が鑑賞した(する)作品は全部で3本。監督Spike LeeがNBAのスーパースターであるKobe Briantを30台以上のカメラで撮ったドキュメンタリー「Kobe Doin Work」。

フランスでは今年1月公開となった話題作「Le bal des actrices」。出演者はJeanne Balibar、Romane Bohringer、Julie Depardieu、Charlotte Ramplingなど癖のある女優が多いので今から観るのが楽しみです。

また本国では8月公開予定の フランス映画「Joueuse」。主演はSandrine BonnaireとKevin Kline。実は彼らは鑑賞後に登場して大いに会場が賑わいました。特に最近は監督業も意欲的にこなし、自閉症への取り組みをSarkozy大統領に直接訴える活動もするSandrineには個人的に関心があったので大感激。だって彼女、素敵という言葉では言い尽くせないほど麗しいの!スクリーン上での硬いながらも妖艶なオーラを漂わせる姿と異なり、実際には自然な笑い皺がかえって魅力的で、フランスの大女優路線とは別の方向性というのでしょうか…年を重ねる毎にむしろ少女っぽさが際立つなんて異色の女優だわぁと目が釘付けでした。

あの悲劇に打ちひしがれることなく、地元に根ざした文化的な活動が積極的に皆に支えられるニューヨークの底力を垣間見る機会となったし、改めてこの映画祭の素晴らしさを実感した得がたい体験となりました。

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昼顔

外資系金融、在ジュネーブ日本政府代表部での勤務を経て、外務省職員として採用。帰国後は民間企業にてインハウス通訳者としてキャリアを積み、現在は日英仏フリーランス通訳者として活躍中。昨年秋からはNYに拠点を移す。趣味は数年前から再び始めたバレエと映画鑑賞と美味しいモノの食べ歩き。

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