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Swine Flu

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 とうとう、確定してしまいました。29日現在で、メキシコから帰ってきた高校生の一行のうち、少なくとも3人がSwine Flu、そう、豚インフルエンザに感染していたのです。しかも、残りは大丈夫、というわけではなく、状態がいいサンプル4件を検査したうちの3件の感染が判明し、残り1件はまだ確認できてない、とのこと。
 週明けからは一行全員を隔離(quarantine)していたとはいえ、学生の中には、帰ってきたその日に調子が悪いのをおしてサッカーの試合に出た、という子もいます。また、この一行が乗っていたロサンゼルスからの便には乗客・乗務員を合わせて356人が乗っており、18人とはまだ連絡も取れていないとか。政府筋は、「観光のシーズンオフの季節で幸いだった」などとのんきなことを言っていますが、冬に向かうこれからの季節は、通常でもインフルエンザや風邪がはやります。まだ感染者が出ていない日本よりものんびりした雰囲気なのは、お国柄ということでしょうか。どうかこのまま沈静化してください、と願うばかりですが、これからまだまだ出てくるでしょう。
 100年に一度という不景気に巡り会い、すごい経験だと思っていたら、今度はインフルエンザ・・・。はあ、なんてことでしょう。
 さて、このニュージーランドでの豚インフルエンザ関連の記事を検索してみると、学校名のRangitoto Collegeを最初のころは「ランギトト大学」としているサイトが結構見られました。ニュース提供元の使った翻訳者が「College」を「大学」と勘違いしたものと思われます。しかし、ニュージーランドでは大学はuniversityであり、collegeは高校です(さすがに翌日からは「高校」になっていますが)。普段使っている辞書をざっと見てみましたが、「ニュージーランドでは高校を指す(私立・公立を問わない)」としている辞書は見あたりませんでした。ニュージーランドに住んでさえいればすぐ分かることなのですが、簡単な言葉でも、いや、簡単な言葉だからこそ、国によって使い方が異なる場合がある、という実例ですね。こういうときは、ネットで「ニュージーランド 教育制度」などで検索して、きちんと確認しておく必要があります。ちなみに、NZの高校にはほかに、Grammar School、High Schoolが付く場合があります。きちんと調べないと誤訳となってしまう、という典型的な例だなあと思ったのでした。
(追記:人の誤訳を指摘していたら、「flu」を「flue」にしていたのに気づいて、あわてて修正しました。お恥ずかしい)

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みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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