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職業病

the apple of my eye

通訳・翻訳者リレーブログ

知人がクロアチア旅行に行ってこられたというお話で、サモボルという街で有名な「サモボルスケ・クレムシュニテ」というお菓子を食べたと伺った。写真も見せていただいたが、「パイ生地の間にクレームブリュレがはさまったような」という表現と併せて見ると、なんとも美味しそうで涎が出そうになる。
ところでその「サモボルスケ・クレムシュニテ」とは、どういう意味なのですか、と尋ねてみた。クロアチアの言葉は全く分からないので、とても気になるのである。とにかくクロアチア語に限らず、自分にとって意味不明の音声や文字列を見ると、無性に意味や言葉の組成を知りたくなる。
「サモボルスケ」は、サモボルの街のお菓子だからきっと「サモボルの」くらいの意味でしょうね。「クレム」は、「クリーム」かな、「シュニテ」はなんだか響きがドイツ語っぽいですね、などと勝手に想像を並べ立てると、相手の方に「旅にはそんな楽しみ方もあるんですね」と笑われてしまった。そして「シュニテ」は分からないけど、ドイツ語で「シュニッテン」といえば切り分けるお菓子のことを言うんだと教えていただいた。
そうか、意味不明の文字列を見たり音声が耳に入ってきても、ウズウズしてこない方もいらっしゃるのだ。
そういえば、最近こんなこともあった。
うちの息子が入会している某子ども向け通信教育で毎月送られてくる「フロク」に、計算ゲームのようなおもちゃが入っていて、答えを入力すると「※!☆〜◆」と、何らかの言葉がゲーム機から流れる。それが例のピッチの高い電子音で、息子がリビングにいて私がキッチンにいるなんて状況だと、はっきり聞こえないのだ。イライラしながら聞いていたのだが、何度聞いても何という単語を発しているのかが聞き取れなくて、とうとう、包丁を持つ手と水道とガスと換気扇を全部止めて、聞いてみた。それでも聞き取れない。最後には息子に向かって、
「ねえ! その機械、いったいなんて言ってるの!」と怒鳴ってしまった。
息子は私が何でイラついているのかサッパリ分からない表情だった。
けっきょくその計算ゲームは、正解の時には「ゴメートー」とか、間違ってると「モウヒトイキ!」だとか、そんなようなことを言っていたらしい。
それさえ分かればもう、同じ電子音を聞いてもイラつくことはなかった。
やはり翻訳という職業からくる職業病なのだろうか。
他の翻訳者さん、通訳者さんのご意見を伺ってみたい。

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記事を書いた人

the apple of my eye

日本・米国にて商社勤務後、英国滞在中に翻訳者としての活動を開始。現在は、在宅翻訳者として多忙な日々を送る傍ら、出版翻訳コンテスト選定業務も手がけている。子育てにも奮闘中!

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