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娘の誕生日

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 クリスマスが終わると、日本ではクリスマスの飾りつけはさっさと取り去り、門松やしめ縄などの正月アイテムが飾られ、一気にお正月気分が盛り上がっていたように思います。でも、こちらのホリデイはあくまでもクリスマスがメイン。そのため、クリスマスツリーなどは新年を明けても残っているので、こういったところに日本との感覚の違いを感じます。
 さて、キリスト教徒ではない我が家では、クリスマスよりはるかに大事なイベントが12月にあります。それは、娘の10歳の誕生日です。そう、彼女はクリスマスイブ生まれなのです。
 まず、この数年の恒例になっているのは、学校の友人を集めた誕生会です。学校の最後日はいつも午前中で終わるので、午後からパーティをしています。今年は20日に開催して、5人に来てもらいました。
 パーティで子供たちに出す料理は、ヘルシーで、手作りで、バラエティに富んだ献立に…などという気持ちは一切ありません。これまでの経験で分かったことは、子供というのは、食べたことがないものには手を出さない、なじみがない味はおいしいと思わないという生き物だということです。そういう嗜好でないと、親が作る料理を毎日、受け入れることはできないという本能なのでしょうか。大人よりずっと保守的なのです。
 ということで、この日のメインは宅配ピザです。午前中いっぱい仕事だったので、これで楽をさせてもらおうと思っていたのですが、予定していたピザ屋に何度電話してもつながりません。こうなったら直接買おうと車で行ってみたら、なんと閉店しています! あわてて車を飛ばして、別のピザ屋で購入して、あせって帰ったら、すでに玄関で子供たちが待っていました。
 というハプニングもありましたが、とりあえず、ピザやチップス(日本でいう「フライドポテト」)、スナック類、フルーツ(パイナップル、イチゴ)、ソフトドリンク(日本でいう清涼飲料)を並べて、まずはランチタイム。あせって準備をしている間に、プレゼントの開封は終わっていた模様です。
 その後、庭で水遊びをしたり、ケーキ(スポンジだけ買ってきて、チェコレートクリームでデコレーションをした)を食べたり、ゲーム(チョコレートを部屋に隠しておいて、だれが一番たくさん取れるかを競うTreasure Huntとか、何重にも包んだプレゼントを輪になって回し、音楽が止まった時に持っていた人が包装紙をめくっていき、最後に当たった人がそのプレゼントをもらえるというPass the Parcel)なんかをして過ごしました。10歳になったとはいえ、まだまだ子供、こういうゲームはとても盛り上がってかわいいものです。
 そして帰る時に渡すのが、Party Bagです。お菓子やちょっとした小物(娘はシャボン玉と鉛筆けずり)を入れた小さなバッグを、お返しとして渡すのがお約束なのです。
 みんなが帰った後の「あー、楽しかった」という娘の言葉がなによりでした。実は、仕事で徹夜明けだったので(めったにないのに、よりによって!)、かなりへろへろだったのです。
 こうして21日からは夏休みが始まりました。なぜか娘の友達には12月、1月生まれが多く、22日、23日はそれぞれ、仲良しの子の誕生パーティに呼ばれていました。
 そしていよいよ24日。夕食の希望を娘に聞くと、「手巻き寿司」。どうやら連日のパーティで、和食が恋しくなった模様。ということで、街に出かけていた夫に刺身用の魚を買ってきてもらい、夕食は手巻き寿司+恒例のショートケーキとなりました。
 ショートケーキは、娘の初めての誕生日から毎年、作っているものです。クリスマスケーキで大忙しに違いないケーキ屋さんに注文するのがなんとなくいやで、作り始めました。それにこちらでは、普通のケーキ屋には存在しない、日本独特のケーキなので、食べようと思えば自分で焼くしかありません。
 最初のころはスポンジがペタンコだったので、「あれはひどかった」といまだに夫に笑われますが、回を重ねるにつれて、上達しました。私が焼いたケーキをいつまで喜んで食べてくれるのかな、3人でこうやって楽しく誕生日が祝えるのかな、と思いながら、こうやって3人で楽しく過ごせることに感謝です。
 プレゼントについては、私は自分も12月生まれで、親にちゃんと区別してプレゼントをもらっていたのが子供心にうれしかったので、娘へのプレゼントもクリスマスと誕生日を分けています。今年の誕生日プレゼントは自転車、親からのクリスマスプレゼントはシルバーアクセサリー、そしてサンタさんからのプレゼントはCDラジカセでした。25日の朝、6時半に(毎年、この日は早起き)、もらったプレゼントを抱えて、娘は私たちの寝室に「こんなのが来てたー」とうれしそうにやってきたのでした。
 そうこうしているうちに、今年ももうすぐ終わろうとしています。私なりに忙しかったけれど、いろいろな仕事に出会えることができて、楽しい1年でした。では皆さん、どうか良いお年を!
 

娘の誕生日会の様子。簡易ウォータースライダー。かなりのスピードですべるので、楽しそうでした。

10回目の誕生日ケーキ。「10」は旬のブルーベリーを使っています。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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