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Candy

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 我が家のCandyは1月にやってきた、生後8カ月の女の子のウサギです。先週は避妊手術後10日が経過したので、SPCAに抜糸に行ってきました。
 SPCAというのはニュージーランド各地にある動物保護施設で、飼い主の事情で飼えなくなった犬、猫、ウサギなどの動物たちが引き取られており、自由に施設を訪れて、希望の動物を選んで引き取ることができます。どうせペットを飼うなら、微力でも命を救う助けになれば、と我が家では満場一致で、SPCAから引き取ることに決めていたのです。Candyは娘の妹分ということで、娘が選び、名前も付けました。
 なお、SPCAはペットだけではなく、野生動物がケガをした場合の治療・保護も行っています。さらに、動物虐待の通報があれば、オフィサーが指導に訪れます。日本の保健所の役割を担っていますが、大きく違う点はボランティアが重要な役割を担っている点です。
 SPCAの動物は通常、引き取りの時点で避妊が終わっているのですが、Candyはまだ生後8週間で小さすぎたため、6カ月になったら来るように言われました。SPCAから引き取られた動物の避妊手術の費用は無料です。
 いくら無料だからといって、避妊手術を受けるかどうかは、悩みました。家の中で飼っているので、妊娠の心配はありません。でも、インターネットで調べると、多産が前提のウサギの場合、妊娠経験がないと50%以上の確率で子宮の病気になるとのこと。せっかく家族の一員になったのですから、長生きしてもらうために、手術を受けさせることにしました。
 手術当日の引渡しは夫に頼みましたが、翌日の朝、引き取りは私が行きました。係りの人は、「全然問題ないわよー」と明るく引渡してくれましたが、Candyはぐったりと元気がない様子。家に着いても、ほとんど食べ物を口にしません。こんなにつらい思いをさせるなんて、長生きしてほしいと願うこと自体がしょせんは飼い主のわがままだったのか、と、後悔の念が押し寄せてきました。手術当日の朝まで、ぴょんぴょん飛び跳ねて、家族みんなに愛想を振りまいていたのに。
 翌日になっても、じっと動かず、このままでは弱ってしまうと心配が募りました。そのとき、ふと思いついて、Candyが大好物のタンポポを庭から引きちぎってやってみました。すると! もりもり食べて、それからいつものペレットをぽりぽり食べ始め、みるみる元気になったのです。
 やれやれと、家族3人、胸をなでおろしました。
 こうして手術から2週間ほどが経過しましたが、手術前はぶーぶー言いながら部屋中に転々とフンをしていたのが、ぴたりと止まりました。今ではトイレは、99%はきちんとケージ内のトイレにします(たまにふんがぽろり、はあるけれど)。どうやら発情行為の一種だったようです。
 それ以外は手術前とまったく変わらず、元気いっぱい、駆け回り、いたずらをしています。リビングのドアを歯でグイっと開けて、ほかの部屋の散策をするのが大のお気に入りです。
 娘の「妹分」としてやってきたCandyですが、夫と娘がそれぞれ会社と学校に出かけた昼間、そして家族が寝静まった夜中の今でも、足元で付き合ってくれている彼女の存在がとてもうれしい私です。

これは来てまもないころのおすまし顔。

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みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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