BLOG&NEWS

携帯電話が

ガットパルド(gattopardo)

通訳・翻訳者リレーブログ

故障しました。
何人かの人たちから留守電メッセージが入っているのだが、私は、滅多に携帯の電源をオフにはしないので、かなり長くコールが鳴っているのを放置しないかぎり、留守電は作動しないはず。なんだけど、コールが鳴った気配がない。しかも「留守電が入っています」という画面じたいが、半日も経たないと表示されない。おかしい。このままでは仕事に支障が出る、と思い、近所の「ドコモ・ステーション」へ。調べてもらうと、内蔵の機材にダメージがきてる箇所があって、電波をキャッチしにくくなってる、とか。修理すると7千円程度かかると言われる。
ここでふつうは「だったらもう、機種変更しちゃおうか!」となるところだろうが、私はちょっと迷ったあと、やっぱり修理することにきめた。
理由は簡単で、現在発売になっているドコモの電話機に、気に入った型がひとつもないからである。日本の携帯電話って、なんであんなにセンスが悪いデザインで、色もダサいんだろう。唯一許せるのは au なんだけど、あいにく、それより先にドコモで契約してしまったので、なんとなく、会社を変えるのがめんどくさい。最近は、会社を変えても番号を維持できるようになるとかなったとか聞くけど(私のようにフリーで営業活動していると、電話番号が変るたびに名刺を作り直さなきゃなんないから、面倒だし、経費もかさむのよ)、シャクなのは「長期契約割引」と「家族割引」。10年近く同じ番号だから、すでに割引率は50パーセントを越えそうな勢いで、母親もドコモってるから、さらに安くなる。ドコモが私を離してくれない。
・・・とまあ、余談はともかく。修理に出すと、1週間程度かかるという。その期間、代わりの機種を貸してもらえる。シルバーグレーのやや大きめな、ダサいやつだ。ほんとのわたし所有の機種は4年前の型だけど、二つ折り型にしてはきわめて小さくシンプルで「これなら許せる」デザインなのよ。この子が元気になって戻ってくるまで、シルバーグレーで妥協。
しかし・・・ふしぎなもので、毎日見てると、なぜか、情が移る。修理が済んで「取りにきてくださ〜〜〜い。」の連絡が入った夜、グレ子のすがたをしみじみながめて「もうお別れよ。みじかいつきあいだったけど・・・ぐっすん。」と、泣きたくなった。単身赴任先で彼女ができて、でも、東京に戻る時、本家の妻と子供の顔を思い出し、ふしぎ〜な気分になりながらも「お前とは、時期がきたらさよならする約束だったもんな。」と、愛人に別れを告げるサラリーマンの気持ちが、なんとなく、わかったわ。
7千円だったはずの修理費は「ユーザー・プレミアクラブ」とかいうのになかば強引に入会させられ、その特典のおかげで5千円になり、たまっていたポイント利用で、さらに1,985円にまで下がった。なんだかよくわかんない特典ばかりだけど、結果オーライね。
さて、すっかり元気になってかえってきた本妻に、せっかくだから衣装替えしてあげよう、と思い立つ。まっかなラメ入りシールを貼って、ストラップも同色のハートの石のついたものに替えてみた。ちなみに、それまでは四つ葉のクローバーのストラップだったんよ。
おお、おお、かわいいではないの! 充電器にセットしてみると、まるで、ちょこんとおすましして正座するお雛さまの風情。
ああ、安直に機種変更なんかしなくてよかった。お前の内蔵電池が切れて「もう、この機種用の電池は作ってません。」と言われるまで、ず〜っと使うからね。
・・・と、地方に置いてきた愛人の顔もわすれて、妻を愛でるの心境でした。
めでたし、めでたし。

Written by

記事を書いた人

ガットパルド(gattopardo)

伊・仏・英語通翻訳、ナレーション、講師など、幅広い分野において活動中のパワフルウーマン。著書も多数。毎年バカンスはヨーロッパで!

END