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トランスレーターズ・ハイ

パンの笛

通訳・翻訳者リレーブログ

 久しぶりにまともな徹夜をしてしまいました。しかも、図ったわけではなく、かかる時間の憶測を誤った結果の徹夜だったのです。仕事に着手した時点ではせいぜい長くかかっても3時間くらいかしら、と思っていた内容が、3時間半経っても6割しか終わっていなかったのです。…眠気もふっとびました。「どうしよう。朝になったらあれも着手しないといけないし、あっちも手を付けておかないといけないのに。でもこの案件も、夕方には出さないと!」とさっきまではうつらうつらしながらだった私の脳みそも完全にフル稼働のスイッチが入ってしまいました。そこからは自分でも信じられないくらいの覚醒ぶり&集中力でした。自分でも、ちょっと麻薬作用のあるような成分が今脳みそ内で分泌されている感じがする!と自覚しながらの作業だったのです。こういうのを、ランナーズ・ハイの翻訳者バージョン、トランスレーターズ・ハイと言うかしら、なんてつい余計なことまで考えてしまいます。なんせ、目も脳みそも完全に覚醒している上に、なんだか作業が進めば進むほど、ウハウハで「楽しい〜♪」と鼻歌でも歌わんばかりの自分がいるのです。(冷静に考えると不気味ですが…。)でもそれでふと思いましたが、昼間、本来体が起きている間にどんなに集中しても、ここまでハイになることはないのです。こういう風にハイになるのは、決まって夜中に作業をしている時。まぁ、夜中に作業をしている時の方が切羽詰っている確率が高いから、ということもあるのでしょうけれども、それにしても、です。私が夜型人間だからでしょうか。夜の耳をつんざくような静寂のせいなのでしょうか。実際、昼間は静かなようでいて、家の周囲の車の音や、通行人の声などがしているのも事実です。そういう昼夜のかすかな違いが積み重なって、夜間の集中力を上げさせるのでしょうか。こう考えると、人間の体は意識の上では感知することのできない事柄も敏感に感じ取っているのを実感します。でも、「夜は俄然集中力アップ」というのを事前に狙っていると痛い目に合うのも事実です…。むしろ、「夕べの間に10ページは進むはずだったのに、寝ちゃったー(泣)」となっていることの方が多いかも…。それでもいつもどうにか最後は辻褄があってしまうからこそいけないのかもしれません。根っからの計画的な人間に転身を図るには、時間がかかるし、根性も必要なのですね…。うう。精進します。

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記事を書いた人

パンの笛

幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。

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