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今に限ってなぜそんなことが気になるというのか

パンの笛

通訳・翻訳者リレーブログ

 土曜の夜に39度6分の熱を出しました。すわ一大事! 息子のインフルエンザをもらったか…?と思って検査してみたところ、インフルエンザは陰性。扁桃腺炎でしょう、との診断でした。扁桃腺炎を患ったことはなかったので、私自身はそれはそれでショックでしたが、まぁ、夫にもうつす可能性のあるインフルエンザよりは良かったとするべきでしょう。とは言え、具合が悪いのは事実。それだというのに、金曜の夜に見た目70ページ近いプレゼンの翻訳を引き受けたばかり。本当なら、土曜の夜は半徹夜で仕上げるつもりだったのです。あーあ、あてが外れました。とにかく、土曜の夜はおとなしく寝ました。
 そして目覚めた日曜の朝。もう、すっきり、くっきり、昨日の熱はどこへやら、すっかり元気になっていました。我ながらこの治癒力の高さに感心するばかりです。で、当然待ち受けるお仕事…。夫に息子の相手と家事の一切を頼み、一日、しゃかりきになって翻訳しました。昨日できなかった分も取り返さなくてはいけないわけですから、かなり必死でした。あぁ、だというのに…。そんなときに限って、気になっちゃうんです。普段は目に付かないほこりとか。普段存在にも気づかなかった片付いてない場所とか。昨日私が寝ている間に我が家の男性陣が作り上げたごちゃごちゃの山とか。(もちろん私自身がごちゃごちゃの山を作らないわけではありませんが、私なりの秩序があるので、それは良しとしているわけです。人が作った山に秩序を見出すのは難しいので気になるのです。手前味噌な理論でごめんなさい。)そして、性質の悪いことに、結構仕事が順調に進んだのです。いえ、それ自体は喜ばしいことですが、それはつまり、ちょっとだけ、ほんの少しだけ余裕があった、ということ。そうなると、もう、さっきの気になったところがどうにかしたくてしたくてむずむずしてきます。これが、もう泣きそうなくらい寸分も余裕がないとなると、周囲に目を配るどころではありませんので何も気になることはないのですが、この、「ほんの少しだけ」余裕がある、というところがクセモノなのです。加えて、私の最も顕著な性格—それは、思いついたことが思い描いた通りに進まないと、殺気立つほどになって自分の思い通りにねじ曲げようとしてしまうというもの—がむくむくと頭をもたげてしまうのです。そして、結局やりました。すべてはさすがに無理なので、ほこりを一掃し、例の山をほんの少しだけ、私なりの秩序のある状態へ持っていきました。これでやっとどうにか一安心。でも、まだ仕事は終わっていません。結局最後に追い込まれることになりました。あぁ、なんであんな瞬間に限ってあんなことが気になっちゃうんだか…。逃避なのか、集中力が高まる分感度が研ぎ澄まされるのか(前向きに捉えすぎ?)…。最終的には仕事も納期までに完成したので良かったようなものの、それが命取りになる日がいつか来るのではないかと我ながらびくびくしてしまいます。こういうこと、皆さんも結構ありますか?

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記事を書いた人

パンの笛

幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。

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