BLOG&NEWS

翻訳に役立つ、かもしれない経験#2

仙人

通訳・翻訳者リレーブログ

Appearanceしましたよ、Courtに。「カリフォルニア州対、仙人さん」という形で、他の軽犯罪者と一緒に、起訴すべきかどうかをJudgeが判断するわけです。登録順に1時間ほど待って、やっと私の番になると後ろにいっぱい他の人が見ている中、被告席みたいなところに呼び出され、事実確認をされるのです。
英語がわからないふりをしても、スペイン語しかわからない人に慣れているので、マイナス要素になるだけかもよ、と友人に言われていたので、真摯に真実を語ることを決意した仙人さんは、日本から来たのでマイル表示に慣れていませんでした、128マイルじゃなくて128キロだと思っていました、と主張したのでした。判事から、陳述の内容に信用がおける人物かどうか、いろいろ質問を受け、とっても善良な市民であることを認めてもらって、ではこちらに来なさい、と高い椅子に座っている判事のところで、彼がサインした書類を受け取り、「これを持ってDAのところに行きなさい」と言われました。
続きのビルの中にある、District Attorneyのオフィスに行き、デスクの前にちょこんと座って事情(善良な市民だが、128キロだと勘違いしていた)を再度説明します。DUIの前科はありません。日本の感覚が抜けなかっただけです。すると、「128キロって日本じゃ法定速度内なの?」うっ、痛い。そのうち、まあいいでしょう、と不起訴処分、128キロ=約80マイルとして制限速度55/hマイルからの25マイルオーバー分だけ罰金を払いなさい、という裁定になりました。100ドルぐらいだった気がします(DUIはDriving Under Intoxicated、つまり飲酒またはクスリでハイになって運転することです)。
それでも罰金を払うことに、ちょっと不満だった私に、もともとの130マイル/h超だと収監されても文句は言えない、よくても懲戒を込めて2000ドル以上の罰金をとられることが多いと友人は慰めてくれましたが、私の裁定をめぐって職場では賭けが発生しており、彼女は100ドル以下の罰金、というパターンに賭けていた勝者だったのでした。私が全く罰金を払わない裁定を受けてくると信じ、小額でも罰金という結果にビール代を払うことになった上司からは、courtにおけるプレゼンテーション技術が未熟である、もっと経験を積むべきだと文句を言われました。今思えば、収監されていれば、さらにshareできる体験も広がっていたんですけどね。
軽犯罪の法廷の様子など、みなさんの今後の翻訳にお役に立てたのではないかと……。

Written by

記事を書いた人

仙人

大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」

END