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Aslan! Aslan!

仙人

通訳・翻訳者リレーブログ

この土曜日から『ナルニア国物語』の映画が公開されます。『指輪物語』がヒットした後、ナルニアもブームにならないかと、小学生の頃、ナルニアシリーズに夢中だった私はすごく待ち遠しく思っていました。
当時まだナルニアは箱入りのハードカバーで高価でしかも7巻。『ライオンと魔女』を読んだ後、全巻をすぐに読みたくなり、お誕生日などの「プレゼントの権利」を先のほうまで本に使いきっていたため、地元の児童図書館に通って何度も読みました。実は、最終話『さいごの戦い』だけがそこにはなくて、すごく不思議に思いつつ、そのうちに忘れてしまっていて、『さいごの戦い』を読んだのは結構成長してからでした。そして、児童図書館にこの作品だけなかったのは、「いい子」たちの結末がああいうことになってしまったり、さらに「死」を美化しているようにも受け止められる可能性があったりというマイナス面を、司書が考慮したのかも、と納得する気になりました。
とはいえ、「ナルニアシリーズ」の楽しさは、是非子供に体験して欲しいものではあります。さらに、すばらしさは『指輪物語』も訳されている瀬田貞二さんの名訳にもあります。固有名詞であっても、できるだけニュアンスを伝えようと見事な名前を作り出す創造性、子供にもわかりやすい言葉でありながら、なおかつ日本語としての格調の高さ、訳者としてお手本にすべき作品だと、読み返すたび、いつも思います。
私が年に数回ナルニアを読む手順は、心がささくれる、美しい心を取り戻すそうと美しい涙を流す決意をする、とある漫画を十数巻いっき読みして号泣する、そこに出てくる「アスランは暁っていう意味だよ」というセリフ(って言えば、あの名作!とおわかりの方は多いと思いますが)でナルニアを思い出す、『カスピアン王子のつのぶえ』か『朝びらき丸 東の海へ』あたりのナルニア最盛期の話を読む、元気になる、という感じです。
”The Voyage of Dawn Treader”を「朝びらき丸 東の海へ」ってなんて見事な訳なんだろう。

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仙人

大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」

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