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1人じゃない

the apple of my eye

通訳・翻訳者リレーブログ

「ひ〜とりじゃないってぇ〜すぅてきなこっとね〜♪」って、年齢がばれてしまうが、天地真理ちゃんの歌にあったな。
在宅翻訳者の仕事は孤独だ。
悩んでも迷っても腹を立てても落ち込んでも、側に相談したり鬱憤を晴らす相手がいるわけじゃない。タダ1人、黙々と自己反省・自己解決するしかない。
しかし、たまに派遣の仕事をうけると、行った先で同業者さんにお会いする機会に恵まれることがある。
単発ならその日限りでさようならだったり、一定期間ご一緒しても、あまり話す機会のないままの相手もいるけれど、幸運なら、お知り合いになれることもある。
そもそも翻訳なんて非常に範囲の狭い仕事を生業にしているという共通項があるのだし、同じプロジェクトに取り組んで、「同じ釜の飯を食った」間柄でもあるのだから、親しくなれる要素は普通の派遣ワーカー同士よりもあるかもしれない。さらに同じ肩こり・腰痛の職業病で悩んでいたり、別のエージェントでも同様に登録していたり、更なる共通項があるとググっと親近感が沸いたりもする。
さらに、その人の仕事ぶりやお人柄が信頼できるものであれば、たとえその日のうちに携帯電話のメアドを交換しなくとも、記憶にしっかり残り、何かの機会にまたお会いできれば、今度は思い切って声をかけることにつながるのだ。
さて、私もかれこれ10年ほど在宅翻訳業を営んでいるが、ここ数年、そうやってお知り合いになれた方からお仕事をご紹介していただくこともある。大変有難い話であるし、同業者さんから評価されるというのは非常に励みにもなる。
あるいは、仕事で行き詰った時にSOSを出して助けていただいたり。
さらに、このブログ上でもそうなのだが、普段は自分だけが締め切りギリギリになっちゃってハラハラしたり、訳語の選択で悩んでいたり、仕事に起因する不規則な生活時間で疲れてしまっていたりするのだと思っていても、実は同業者さんたちで同じ悩みを抱えている方は多いのだということを知って、なんとなく慰められたりもする。
なので、これから在宅一本で仕事をしようと考えている翻訳者さんに申し上げたい。
たまにはオンサイトもやりましょう。

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記事を書いた人

the apple of my eye

日本・米国にて商社勤務後、英国滞在中に翻訳者としての活動を開始。現在は、在宅翻訳者として多忙な日々を送る傍ら、出版翻訳コンテスト選定業務も手がけている。子育てにも奮闘中!

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