INTERPRETATION

第21回 Black Fridayって、良い日? 悪い日?

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

みなさん、こんにちは。こちらイギリスは、紅葉が落ち葉になり、その落ち葉も大半が取り除かれ、すっかり冬景色になりました。

ところで先週の金曜日はBlack Fridayと呼ばれていたのをご存知でしたか。アメリカにお住いの方には馴染み深い言葉でしょうが、イギリスではほんの数年前から耳にするようになったばかりです。これは、11月の第4金曜日、つまりThanksgiving Day (感謝祭)の翌日の金曜日で、アメリカではこの日を境に小売店が一斉に値下げをして、クリスマス商戦がスタートするとのことですが、イギリスではBlack Fridayを含む週末前後(木曜日~月曜日)のみ、特別4割とか5割引きの商戦が繰り広げられるようになりました。イギリスではThanksgivingを祝う習慣はまったくなく、Black Fridayのみが数年前にアメリカから輸入され、だんだんと定着化しつつある感じです。昨年は、Black Fridayの開店時に買い物客がどっと押し寄せて、特割商品の奪い合いで乱闘騒ぎも起きた店舗もあったため、今年はそれなりの対策が取られ、ネット販売でのBlack Friday商戦が本格化しつつあります。

でもどうしてBlack Fridayと呼ばれるのでしょう? Black Monday(暗黒の月曜日)というと1987年10月19日に起こった史上最大規模の世界的な株価大暴落のことですし、1929年の世界恐慌の引き金となった日はBlack Thursday(暗黒の木曜日)と呼ばれます。Blackというとなんだかクラ~いイメージなのに、それがクリスマスプレゼントの買い物という楽しい行為(?!)を促進するために使わるなんて変だと思いませんか?

ここで誰でも知っている会計用語「赤字」「黒字」を思い出しましょう。赤字、つまり支出が収入を上回る場合は英語でもin the red, 逆に黒字、つまり収入が支出を上回る場合はin the blackと言われます。だから先週の金曜日は「暗黒の金曜日」ではなくて、「黒字になる(儲かる)金曜日」という意味のblackだそうです!

私は特に買い物をする予定ではなかったのですが、たくさん届いた販促メールの一つに、夫の欲しがっていたものが「今週末のみ特別割引!(Black Friday Four day spectacular XXX sale)」とあったので、ついついクリック。自分の分まで買ってしまいました! (あ、これクリスマスまで一応秘密です!)

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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