INTERPRETATION

第59回 コロナウィルス関連の語彙  第2弾

グリーン裕美

国際舞台で役立つ知識・表現を学ぼう!

昨年3月上旬、つまり新型コロナウイルスがいよいよパンデミック化したころに書いた記事(第45回)が9万回ものPV数があったと伺い、久しぶりにこの記事を見たところ、ドキッ! OMG! というのも、それから1年近く経ち、世界中で毎日のようにコロナが話題になる中で当時書いた記事の内容が古く、今では間違いとなってしまっているからです。そこで、今日は第2弾として第45回で掲載した語彙の中でも特に「コロナ」と「マスク」のアップデートをします。

1.「コロナ」
新型コロナウイルスを日本語ではよく「コロナ」と略されますが、英語でよく使われる短い表現はCovid。音節が2つで言いやすいからでしょう。「コロナ禍」のニュアンスではthe pandemic が使われています。coronaという略し方も時々ありますが、slangではさらに短くronaやMiss Ronaとも! けれども一般的にはやはりCovid。またはthe virus(定冠詞を忘れない!)。

ちなみにCoronaというブランドのビールは、イギリスでは2020年の売り上げが40%も増えたとか!(関連記事)落ち込んでばかりでもしかたないから冗談半分にCoronaを飲んでStay homeを楽しんだ人が意外に多かったんでしょうか。

ところでCovidは何の略かご存知でしょうか? Covidという固有名詞なのかと思ったら、coronavirus disease of 2019 の略。頭文字だけの略(acronym)ではないので当たり前のようで意外な感じがします。

2.「マスク」
第45回では「英語ではmaskだけだとまずは『仮面用/覆面マスク』を思い浮かべる人も多いためか、感染防止のために使うマスクの場合はa face maskやa surgical maskと言うことが多い」と書きましたが、今では日常語彙となりmaskだけでも大丈夫です。ただ、「マスクを着用してください」の文脈ではface coveringsが使われます。イギリスでは鼻や口を覆えばスカーフやバンダナの着用でもよいからです。シールドやバイザーは含まれていません(参照サイト)。日本に比べると、色んな柄のマスクでおしゃれを楽しむ人が多いです。私もイギリスではいつも柄の入ってマスクをしていました。イギリスでは屋内の公共の場でのマスク着用は義務付けられていますが、外では任意。そのため屋外でのマスク着用率はかなり低いです。ただ、アメリカで話題になっている「反マスク派(anti-maskers)」は少なく、私が見かける範囲では屋内なら全員マスク(face coverings) を着用しています。

2020年は他にもコロナ関連の用語が多く生まれ、言語にかかわる職に従事している者にとっては興味深い1年でもありました。英オックスフォード大学出版局は毎年流行語大賞に匹敵するWord of the Yearとして1語を選びますが、2020年は1語に絞ることができなかったそうです。そこで2020年に頻出した語を報告書にまとめて発表しました。こちらの報告書の引用も含め、来週以降もコロナ用語を取り上げていきます。

ところで先週から一時帰国しています。出発ちょっと前に「イギリスで発見された新しい変異体(the new variant)の感染力が強い(more transmissible/contagious)」という報道があり、日本の水際対策が厳格化(stricter border control measures were imposed)。到着後3日間は政府指定のホテルで部屋から一歩も出られずまったく人に会えない「ラグジュアリーな刑務所生活」(I was locked up for three days in a hotel room)を体験したあと、東京の賃貸マンションでさらに11日間の自主隔離生活をしています。いつもの一時帰国のように人に会うことはできませんが、しばらく日本時間での暮らしやコンビニ食を楽しみたいと思っています。

2021年1月11日

 

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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