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ポストエディット作業で苦労する点

ハイキャリア編集部

ポストエディット座談会

皆さんこんにちは。

今週は、ポストエディット座談会3つ目のトピック「ポストエディット作業で苦労する点」をご紹介します。

テンナイン:「ポストエディット作業で苦労する点」をお話しいただけますでしょうか。

Cさん:
「翻訳とポストエディットの違いをどう出すか」という点を常に気にかけています。つい最近、定期的にプレスリリースの翻訳依頼をいただいているお客様に、そのタイミングは時間とご予算の関係で、ポストエディットでご依頼いただきました。そうすると、ずっと翻訳レベルの品質だったのが、急にポストエディットの品質になるので、「今まで翻訳だったので急に品質が変わりますがどうしますか。」とコーディネーターさんにご相談したところ、翻訳にできる限り近づけるようにということで、時間数を増やしていただきました。一番苦労する点は、「どう品質の違いを出すか」だと思います。

Aさん:
訳抜けですね。契約書の場合は、長い文章になればなるほど訳文が破綻してしまうので、そういう場合は、自分で翻訳することになります。あとは、訳語の統一です。例えば、補償と賠償がごちゃごちゃに出でてきて、文章全体で統一されていないことがあります。契約書の場合は、それがいけないので、統一はかなり苦労しながら目を光らせています。

Bさん:
医薬の場合、専門用語が多いので、用語統一に苦労します。翻訳であれば、訳語が決まっていなくても仮で入れておいて、後から一括変換できますが、ポストエディットの場合は、それができないので、1つ1つ直していかないといけない点が手間かと思います。ただ、知らない単語でも、機械翻訳が出してくれた用語をもとに確認してみると、一般的に使われていることもあります。詳しくない分野の場合、ゼロから調べると時間がかかりますが、機械翻訳が出してくれたものをもとに調べていくと、割と簡単に見つかったりするので、そういう面では楽な部分もありますね。

テンナイン:
ポストエディットで自分の知らない専門用語や言い回しが出てきたとき、裏取りはしますか。機械翻訳はどの程度信頼できるのでしょうか。

Bさん:
初めて聞いた言葉なら必ず裏取りします。ちゃんと拾ってくれることもありますが、過信せずにチェックすることが大事だと思います。

テンナイン:
「機械翻訳はどれくらい信頼できるのでしょうか。」というところで、出力された訳文の品質が非常に高く、自然な文章の場合でも、よくよく見てみると一部分がごっそり抜けていることもあります。なので、私は、一言一句疑ってみるべきだと思いますが、皆さんいかがでしょうか。

Cさん:
仰る通りだと思います。基本的には疑いながら、注意深く見ていく必要があると思います。やっぱり訳抜けが一番怖いですし、文章全体を読むと、キーポイントとなる単語が出てくると思うんですけど、それが自分の知っている単語や聞いたことがある単語でも、「その本当の意味は何か」は必ず調べますね。そこは、翻訳であってもポストエディットであっても変わらないところかと思います。言い回しや表現に違いがでるイメージです。

テンナイン:
基本的には、疑ってかかって正解かなと思います。疑ってかかった結果、5割6割くらいそのまま使えるケースもあれば、それ以上に使えるケースもあるかと思います。

今週は、「ポストエディット作業で苦労する点」をご紹介しました。次回のトピックは、「サンプル文のポストエディット・解説」です。

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ハイキャリア編集部

テンナイン・コミュニケーション編集部です。
通訳、翻訳、英語教育に関する記事を幅広く発信していきます。

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