TRANSLATION

Tradosとぼくとレイアウト調整

すみす

Tradosとぼくと東京タワー

みなさま、こんにちは。
今回も本ブログをご覧くださりありがとうございます。
さて、本日は訳文生成後のレイアウト調整についてお話していきたいと思います。

Tradosをご利用されている方であれば、思い当たる節があるかと思いますが、Tradosで翻訳後、訳文生成したファイルと原文ファイルを比較してみると、レイアウトが崩れてしまっていることが多々あります。特にPPTファイルなどはフォントサイズのバランスがおかしく、レイアウト調整なしには文字が読めないというファイルもしばしば見かけます。今回はこうしたレイアウトの崩れとなる原因をいくつか探ってみました。

まず、Tradosのデフォルトの設定を確認してみましょう。
・フォントは日本語「MS 明朝」、英数字「Century」
・フォントサイズは原文と同じポイント数

原文がどのようなフォントであれ、基本的にTradosは日本語を「MS 明朝」で書き出します。原文通りのフォントを希望するクライアントも少なくはありませんし、ゴシック体で作成された資料が明朝体となってしまうと、資料の雰囲気も大分変ってしまいますよね。フォントサイズも基本的には原文と同じポイント数で書き出されます。例えば、日→英翻訳の場合、英文は日文と比較して文字数が増加する傾向にありますので、原文と同じポイント数では文字がテキストボックスからはみ出したり、文字が重なったりして、レイアウト調整なしには読めたものではありません。

上記の問題についてはフォントを変更したり、フォントサイズを小さくしたり、面倒くさいですが手間をかければ解決できます。ただ、訳文生成されたファイルのうち、いくつかのファイルは私のスキルでは解決できないような問題が発生することがあります。例を挙げてみましょう。

・Wordファイルでテキストボックスのサイズがロックされてしまって変更できない。
文字が詰まっているため、テキストボックスを広げて読みやすく編集したいのに、ボックスサイズの変更ができず、匙を投げたくなることがよくあります。どうにもならないときは、新しくテキストボックスを作り直したり、フォントサイズを小さくしたり、力業で解決することが多いです。

・PPTファイルでテキストボックスの大きさに沿った改行とならない。
通常のテキストボックスではテキストボックスの大きさに合わせて自動的に改行してくれるのですが、たまにテキストボックスを突き抜けて自動改行機能が働かなくなってしまうことがあります。こういった場合は、手動で改行を入れたり、新しくテキストボックスを作って解決したりしています。
(Tradosのインポートエラーの時もそうでしたが、エラーが発生した場合は既存のものを修正するより新しく作り直すほうが早いことも多いですね。)

そのほかにもどのように直したらいいのかというレイアウトの崩れ方は度々発生し、途方に暮れてはネットで調べながら創意工夫していくということを繰り返しています。ポジティブに考えれば、レイアウトが崩れるたびにOfficeの新しいスキルを磨けるので、レイアウト調整のスキルアップにはもってこいの修練場とも言えますね。

今回のブログでは何の解決にもなりませんが、みなさまもレイアウトが崩れたときはスキルアップの場だと思って、創意工夫を凝らしてみてください。

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記事を書いた人

すみす

埼玉大学大学院人文社会科学研究科を卒業後、翻訳コーディネーターとしてテンナイン・コミュニケーションに入社。大学院ではドイツ文学を専攻し、文献学の観点からカフカを研究。
現在は翻訳コーディネーターとしてTradosに悪戦苦闘中。
趣味はヨーロッパ作品を中心に読書と映画鑑賞。ときどきジャズと短歌。

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