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人生の俯瞰図

いぬ

通訳・翻訳者リレーブログ

父と酒を飲みながら、ふと思った。初めて(おおっぴらに)親子で酒を飲みながら新年を迎えたのが、僕が大学生だった頃、すなわちおよそ20年前。それから40歳の今までの長さと同じだけ未来に目を向けると、還暦か。前後20年で合計40年。そう考えると、人生の中で通過して行く時間の感触というか存在感と言うか実感のようなものが、おぼろげながら想像できるような気がする。

子供の頃なら「あれもこれも」で良いわけだが、大人になるにつれて次第に「あれかこれか」になっていく。それは決して悪いことではないと思う。何かの本で読んだが、錐は先端の面積が極小だからこそ、木に穴をうがつことが出来るのだ。

昨年はあまりまともなインプットが出来ずじまいだったが、条件がそろうのを待っていたら、永遠に出来ずじまいだ。ありきたりのことだが、大事なのは

・細切れ時間を活用する
・まとまった時間を作る

ということに尽きる。

特に1月下旬に授業がなくなってから2ヶ月間は、後者が大切だろう。事務処理は極力隙間時間に押し込み、場合によっては大学の宿泊所などに泊り込んででも、本を読んでまとめ、勉強の基礎体力を作ろう。通訳指導の理論面を固めたい。

何しろ、今までのやり方では破れなかった壁なのだから、今までとは取り組み方を変えなくては。その一方で、自分の心が喜ぶことにもしっかり時間を割きたいと思う。デスマーチ型の努力では、何かが実を結ぶこともあるまい。

上手く行けば還暦になってからも5年は勤務できるし、その後も非常勤講師として3年ぐらいは(細々とだが)教壇に立てるはずだ。だから60歳ということにあまりこだわりすぎる必要はないのだが、ひとつの目安として、その中で成し遂げるべきことを絞り込んで行きたい。

後20年間。いろいろな別れもあるだろうし、出会いもあるだろう。一歩一歩踏みしめ、かみしめて進んで行きたいものだ。

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いぬ

幼少期より日本で過ごす。大学留年、通訳学校進級失敗の後、イギリス逃亡。彼の地で仕事と伴侶を得て帰国。現在、放送通訳者兼映像翻訳者兼大学講師として稼動中。いろんな意味で規格外の2児の父。

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