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新緑の奈良路

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通訳・翻訳者リレーブログ

先週のこのブログでもお伝えしたとおり、また旅に出ていました。

◆6月4日(木)◆
朝5時起床。前夜(いや…同朝)ベッドに入ったのが、1時半頃。よって、旅の朝のいつもの気分。脳みそに膜貼りまくりです。
簡単な朝食をとった後、6時10分自宅を出発。原稿書き時とは異なり、旅の時には、いつも時間に余裕がないと、どうも落ち着かない私です。

7時40分、新幹線で東京駅出発。越後湯沢駅経由で、11時40分、富山・高岡駅到着。目の前の各駅停車に乗り換え、昼12時近く、数駅先の福岡へ到着。
ちょうど2か月前に行った写真館“ミュゼふくおか”へ。
敬愛する人気風景写真家・吉村和敏氏の、デビュー20周年を祝う個展が、7日で幕を閉じるのです。前回のオープニング時には、御本人のトークショウもあり、大勢のファンで熱気に溢れ、大賑わいだった館でしたが、今度は静かな時に、もう一度ゆっくり観ようと思い立ちまして…。

館内には、ファンが何人かいましたが、それでも今回はじっくり眺めることができました。
それにしても、1枚1枚が、本当に美しい! 風そよぎ、光と色彩降り注ぐ、まるで印象派絵画。何処かの家の窓から、実際にその風景を眺めているかのよう。【個展の詳細は4月8日のブログを】

充実した思い胸いっぱいに、館を去ろうとした時、1階入口近くの壁を眺めながら、“本当にカッコいいよねぇ〜”と、溜息ついている女性2人組がいるので、“何がそんなにカッコいいんだ??”と思いながら、彼女達が去ってから、その壁を覗きに行ったところ、吉村さん御本人のアップの写真でした。あぁ、なるほど〜(笑)。

2時過ぎに福岡駅を出発、金沢駅経由で、5時過ぎに京都駅到着。そこから約1時間の奈良へ入ります。
そう、本日から2日間、久々の奈良の旅なのです!

↑ 安藤忠雄氏設計の独創的な建物・ミュゼふくおか。

◆5日(金)◆
駅前のホテル。朝6時起床、7時にビュッフェの朝食をとった後、8時半出発。
奈良は数年前に、平山郁夫画伯の大唐西域壁画見学の為に、薬師寺へのみ行った時以来、ゆっくり旅するのは、約20年ぶり。地理感覚ゼロなので、地図片手に、徒歩10分程の、近鉄奈良駅へ向かいます。
まずは、前々から行きたかった、南大和方面へ。

2度の乗り換えの後に、室生口大野駅着。1時間に1本しかないバスに乗り、新緑眩しい山々を、ぐるぐる登ること約15分。終点の室生寺前下車。“バスで15分なら、のんびり歩いても良いなぁ”…と、当初考えていたのですが、そんなことをしないで、あぁ良かった…。
聞こえてくるは、石畳に落ちる小雨、そよ風に揺られる木々の音、そうして鳥たちの囀りだけ。とてもとても静かな山です。
“雨降り時の自然の匂いは、とても重厚で美しい”…と、カナダの友達が言っていたのを、ふと思い出します。雨に濡れた草木は、本当に魅力的です。

橋を渡り、滑り易くなっている石段に目をやりつつ、本堂へ向かい、ゆっくりと登って行きます。
数分の後、ふと前方を見上げた瞬間、“う…うわぁ〜!”…と思わず声を出してしまいます。なんて美しい五重塔なのでしょう!! こんなにも見事に自然と調和した、優しい佇まいの五重塔を、これまで観たことがありません。しばらく眺め入ってしまいました。
背後のシダ群落を通り抜け、奥の院まで行く予定でいたのですが、雨に濡れた狭い石畳は、想像以上に滑り易く、そうして暗く、おまけに人影もなく…で、“此処でもし滑って頭を打ったとしても、誰も気づいてはくれないだろうなぁ”…と思ったら、ちょっと怖くなり、そこで引き返してしまいました。
残念。でもこれは、“また来なければいけない”…ということなのだと思うので、次回まで…ということで。

帰りがけ、門の横で、五木寛之作『百寺巡礼・奈良編』ハードカヴァー発見。前々から読みたかったので、迷わず購入。
そうして、近くの喫茶店でコーヒーを頂き、体を温めた後に、再びバスに乗り、大野寺前で下車。同寺&周辺をのんびり散策します。
その後、徒歩約10分の室生口大野駅へ戻り、数駅先の長谷寺駅へ。

↑ 室生寺。とても強くもあり、優しくもある、凛とした女性的な雰囲気のお寺。

長谷寺駅下車。
あちらこちらにカメラを向けながら、のんびり歩くこと約20分。どっしりした門が目の前に。
木造の登廊、399段続く石段を、息切らせながら登っていきます。普段の運動不足を痛感です。
そうして、ようやく本堂に到着。清水寺を彷彿させる舞台から眺める、周囲の山並みは絶品。“花の寺”として知られる長谷寺ですが、本日印象に残ったのは、その美しい木々と緑。心地好い森林浴です。
この日、国宝の銅板法華説相図や、法華経など公開中だったのですが、今回は断念。と言うのも、此処では大勢の白装束の人々が、真剣な面持ちで、何かを唱えながら入山していて、単純に、自然とアートを愛でに来ているだけの身としては、少し気後れがしまして…。

下山した後、再び約1時間かけて、近鉄奈良駅まで戻り、8時にホテルへ戻ります。夕食は、途中で購入した柿の葉寿司&お茶。コーヒー片手にテレビを眺めてから、11時に就寝。

↑ 長谷寺・木造の登廊。重厚な雰囲気漂う、神々しいお寺と山々でした。

◆6日(土)◆
6時起床、8時半ホテル出発。本日は、三条通りから、奈良公園周辺散策の日。

猿沢池⇒興福寺⇒(阿修羅象の居ない)奈良国立博物館⇒東大寺⇒若草山⇒春日大社。

↑ 新緑眩しい若草山周辺。
それにしても、観光地としては、人の少ないこと! 新型インフルエンザの影響か…。心が痛みます。
昼食は、春日大社近く、木々の下で、四季の野草などが添えられた“万葉がゆ”。うーん、珍味。

その後再び、カメラ片手にのんびり散策。鷺池・浮見堂⇒奈良公園⇒荒池。
佃煮のようにいる鹿達が、“鹿せんべい売り”の前で、ニコニコ呼び込みをしています。

5時半頃に、出発地点の猿沢池に出ます。亀&鴨&白鷺を眺めながら、しばしの休息。次回は此処からすぐの奈良ホテルへ泊まり、朝焼け&夕焼けの中の五重塔を眺めたいと思いました。

其処からまたホテルへ戻り、預けてあった荷物をピックアップ。
徒歩5分のJR奈良駅から

京都駅へ。奈良&京都の土産、それから夕食の鯖寿司&お茶を購入後、新幹線に飛び乗ります。
そうして、旅の間は一度も手にすることがなかったiPODで、久々HR/HMを聴きながら、下界の生活に戻る準備をします。
9:00pm頃、東京駅到着。明日1日休んだ後、また〆切の日々再開です。

さぁ次回は、何処へ行こうかな。夏は使い者にならないので、初秋の日光…なんて良いなぁ……。

↑ 猿沢池から望む興福寺の国宝五重塔。京都東寺に次ぐ高さ50.1mは圧巻。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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