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最近の出来事について、考えること、感じること

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通訳・翻訳者リレーブログ

最近のこの国での出来事、ニュースに登場すること、それに触れるたび、考えされられることがあります。
色々な方面で、色々なことが起こっているわけで、そのこと自体には、共通点は何らないのですが、でもそれ等に触れる度に感じる思いに、何かこう、共通するもの、共通する思いが、ひとつあるような気がしてならないのです。
このところずっと、この心から離れない、この心を重くしている、何とも言えないような“何か”、そんな思いが、確かにあるのです……。

少し前の話になりますが、ある人気アイドル・グループのメンバーが、夜中に自宅近くで、全裸で騒いだということで、公然わいせつ罪の容疑で、逮捕されました。
しかし何故この行為が、“公然わいせつ罪”になるのでしょう。そうして何故あの時、家宅捜査まで行なわれたのでしょう。その辺の酔っ払いでしたら、“おいおい、バカな真似はやめて、さっさと家に帰りなさい”と注意されるくらいで、恐らくは終わったことだと思います。
その彼が、今週には仕事復帰するとのこと。これが早いのか遅いのか、私には分かりません。結果的に、色々な方面に迷惑を掛けてしまったのは、紛れもない事実ですし。しかしとても才能豊かな人物ゆえ、今回のこの出来事に押し潰されることなく、今後とも活躍して欲しいというのが、私の正直な思いです。
それにしても、あの時の周囲の“反応”には、とても恐ろしいものがありました。

臓器移植問題。つまり、脳死は人の死か否かという議論。
私は過去に何度か、自分のベッドの上で、長年一緒に暮らしてきた動物を、見取ったことがあります。
命あるものの最期とは、本当に不思議なものです。
静かに流れゆく時間の中で、息がだんだん浅く静かになっていき、胸の鼓動が聞こえなくなり、身体がゆっくりと硬直していきます。そうして温もりが徐々に消え、完全に冷たくなり、“あぁ、魂が抜けたんだな。もう此処にはいないんだな”と、その時に初めて、悟るものです。
本当に本当にゆっくりとした時間の中で、徐々に、その時を迎えるわけです。
そうして、この途中のどこかの瞬間から、いわゆる“脳死状態”になっているのでしょう。でもそれは私にとり、彼等の最期の瞬間などでは、けっしてないのです。
動物の話で申し訳ありませんが、でもこの“脳死は人の死か否か”という議論になるたび、どうしてもこの瞬間を、思い出してしまうのです。
それからもしも私に、身体を切ったり貼ったり、何かを投与したりするだけでは、この命が助からない瞬間が来たなら、それが自分の定めと、すべて納得し、穏やかに受け入れられるような、そんな潔い人間でありたいものです。
とにかく臓器を受ける側が、ひとりでも多く助かることを願うのと同時に、提供する側が、周囲からの圧力を感じずに、自分の思いどおりに行動できる、そういう環境がしっかりと整うことを願っています。
そう、脳死を人の死として受け入れられない者が、罪の意識に苛まれ、精神的に追い詰められるようなことだけは、絶対にあってはならないと思うわけです。

新型インフルエンザ。
今回の日本の素早い対応、そして国民の従順さには感心しましたし、“清潔な日本人”を再認識しました。
一方、最近の電話インタビューでも、この話題がよく出るのですが、現地のニュース番組でも、日本の様子が度々報道されているようで、“そっちでは、みんなマスク着用で外出したりと、凄いことになっているらしいね?”…と言われたのは、二度や三度ではありません。“ちょっと過剰反応じゃない?”“通常のインフルエンザの時のように構えていれば良いんじゃない?…と言う人もいます。
その都度、考えさせられます。いえいえ、外国に住む人々に、何か言われたからどうと言いたいわけでは、決してありません。実際、学校閉鎖や修学旅行の中止、或いはマスクの着用により、感染拡大を防げたのかも知れませんし。
ただ一方で、取材をする側も受ける側も、全員マスクをつけながらという図は、見ていて非常に違和感がありますし、タクシーから下りずに観光地を廻る、修学旅行生がいることを知った時には、開いた口が塞がりませんでした。また感染者を出した学校の代表に対し、健康管理云々と、みんなで寄って集って、責め立てるような場面を目にした時には、とても恐ろしくもなりました。
ヒステリックにならずに、この新型インフルエンザのこと、そしてマスクの効用について等、自分なりにしっかりと、理解しておきたいものです。
余談ですが、関西方面の観光地では、閑古鳥が鳴いていて、とても大変なことになっていると言います。その話を聞くたび、胸が痛んでいた私は、来週さっそく、奈良への旅に出ることにしました(阿修羅像は御留守だけれど…)。

何はともあれ……

この国の人々も、周囲の意見に右にならえで、熱くなり、一直線に突っ走ってしまうところがあるのだな…と、ちょっと驚きでもあり、ちょっと怖くもあり、で、色々と考えさせられる今日この頃であります。
いずれにせよ、どんな場合でも、どんな問題に対しても、周囲の意見や情報に振り回されず、惑わされず、冷静さを失わず、自分の頭で考えられる余裕を、常々もっていたいものです。

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記事を書いた人

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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