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2007年を振り返って◆プライベート編

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通訳・翻訳者リレーブログ

今年も仕事にプライベートにと、とても楽しく充実した日々を過ごすことが出来ました。と言うわけで、今週は2007年を振り返り、印象に残る景色・瞬間・作品について綴ってみたいと思います。

まずは旅行。ここ数年のテーマは、“日本の美・再発見”。長くても3泊4日の小旅行ばかりですが、今年も約1-2か月に1地域の割合で、色々な所へと足を運び、心に響く場面や瞬間に、多数遭遇しました。例えば…。
年明け間もない頃に行ったのが、冬色の兼六園〜永平寺〜郡上八幡〜白川郷。とても厳かな佇まいの永平寺では、“日本人である自分”を再認識し、銀世界の白川郷では、春・夏・秋とはまた違ったその魅力に、強く引き込まれました。
翌月の北海道では、オホーツクの流氷を見学し、屈斜路湖では“初めて来たとは思えないような不思議な感覚”に陥り、−13℃の阿寒湖では、“耳が千切れるような”その懐かしい感覚に、失神しかけました。また旭山動物園では、発想の転換・ちょっとした工夫の大切さを痛感、下手な経営学本よりも此処へ来た方が、得るものが多いと思いました。
桜を愛でる旅、今年は長野県・高遠城址公園。が、竹下通り並の混みように、もうウンザリし、早々に穂高平湯温泉へ逃げ込み、口直しに翌日、私の大好きな飛騨高山をのんびり散策。途中、御母衣湖の荘川桜も見学。そう、私は“ダム”が結構好きだったりします。
翌週は、大好きな上高地の開山祭。とても厳かな神事もあり、心引き締まる思いがしました。雪景色の同地もまた、とても素敵ですね。
夏には再び北海道へ。今度は富良野〜美瑛〜知床方面+大好きな屈斜路湖&阿寒湖。あぁ、やっぱり北海道は魅力的です。幾色にも染まる、緩やかな美瑛の丘々と、ウトロ港沖から見た、幻想的な夕陽は、いまでも心に強く焼きついています。
そうして先月は黒部立山方面へ。雄大な山々の中で頂いた、昼食の美味だったこと!

次に映画。平均すると1か月2本と、今年はあまり観ることが出来ず、その中でどうこう言うのもナンですが…。
近年は洋画よりも邦画の方が、内容の濃い作品が多いですね。今年は『クローズド・ノート』。その細やかな作品作りに、心打たれました。
一方、大味なハリウッド作品に心動くことは、殆どないのですが、『パイレーツ・オブ・カリビアン〜ワールド・エンド』だけは別。愛してやまない俳優ジョニー・デップの作品は、何でも素敵です(笑)。

本はたくさん読みましたね。中でも特に印象に残っているのは…。
岡本太郎氏のパートナー・岡本敏子さん作『いま、生きる力』。広く深い愛に溢れた、本当に魅力的な女性。あんな風に年を重ねたいものです。
目の保養になったのが『Snow Crystals』(W.A.Bentley)。雪の写真家による、雪結晶の写真集。小学校時代、ハサミで紙の雪結晶を作ったり、肩に舞い降りてきた雪結晶を、うっとり眺めるのが大好きだった私は、この本を開く度に、厳冬のカナダへ飛んで行きたくなります。
“同じ学校で学んだジャーナリストが書いた作品で、凄く面白いよ!”と、中高時代の仲間からのメールで、早速購入したのが『American Chica: Two Worlds, One Childhood』(Marie Arana)。彼の国のことや、アメリカンスクールでの日々も書かれていて、自分の思い出と重なる部分も多く、ワクワクしながら読みました。
大好きな東野圭吾作品も、新作・旧作、色々と手に取りました。『たぶん最後の御挨拶』は、東野氏のプライベートや、作品が生まれるまでの裏話に触れた、珍しいタイプの作品で、とても興味深かったのですが、読破後に立ち上がれない程の衝撃を受けた新作は、残念ながらありませんでした。『白夜行』を超えるような東野作品と、早く出会いたいものです。
『編集者という病い』(見城徹)は、元雑誌編集者として興味を持ち、手にしたのですが、あぁ〜、もうとんでもござりませぬ! これはもう、まるで違う職種、違う世界のことですな。参りました。
『SAMURAI佐藤可士和のつくり方』(佐藤悦子)は、才能溢れるアーティストの存在を、世に知らせることに従事する者として、とても興味深く参考になった一作。
仕事が詰まっていて、思うように旅行に出られなかった時期、思わず手にしたのが、沢木耕太郎氏の名作『深夜特急』。20代の頃、夢中で全巻を読んだものです。が、当時の思いは蘇ってこなかった…どころか、正直なところ、“こんな旅、もうしたくないよなぁ”という思いが過りました。あぁ、これはもっと若い頃に読むべき小説なのですね。実感。その後に読み返した『何でも見てやろう』(小田実)の方が、新鮮に感じられました。不思議な話ですが。
それから龍村仁氏。『魂の旅地球交響曲第三番』、『地球(ガイア)のささやき』等、数冊読みましたが、“目に見えない世界”に対する氏の思いに、深く共鳴するものがありました。
その流れで、最後は、大好きな写真家エッセイスト・星野道夫氏作品:『森と氷河と鯨〜ワタリガラスの伝説を求めて』。彼が最後に遺した物語の軽装版。私にとっては、常に枕元に置いておきたい、バイブルのような作品です。

個展も、色々と観る機会に恵まれました。
その中で最も心に残っているのは、私の敬愛する写真家・吉村和敏氏の『BLUE MOMENT』展。“ブルー・モーメント”とは、日没前から日没直後、そうして日出直前の短い間、この地球を包み込む“蒼色の瞬間”。いやぁ〜、素晴らしかった! 感動があまりに深いと、もう、自分の想いを言葉で表現するのは、難しいですね。先日、同名の写真集も出ましたが、非常にクオリティの高い作品に仕上がっています。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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