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夏来る

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 オークランドは先週末あたりからセミが鳴き始めました。こちらのセミはすごく小さくて(2センチぐらい?)、鳴き方も日本と違います。日本のように威勢がよくなくて、「ジー、ジー、ジーコ、ジーコ、ジーコ・・・(繰り返し)、ジー」と、地味です。今も、どこからかジー、ジーと聞こえてきます。まだ弱々しいし、1匹しか鳴いていないようですが、この声を聞くと、「ああ、夏が来たねえ」と思います。空は真っ青、風はそよそよ、さわやかな天気です(明後日あたりから雨らしいですが)。
 さて、ニュージーランドの学校は1月が新年度の始まりなので、12月が卒業シーズンです。日本の中学校に当たるIntermediateは2年間しかないので、娘がついこの間入学したと思っていたら、もう今度の12月に卒業です(日本ではまだ中学1年生ですが)。
 昨日、娘がGraduation(卒業式)の案内を学校からもらってきて、へえ、おもしろいな、日本と違うな、と思ったので、ご紹介します。

 まず、卒業式にテーマがあります。こちらでは、あらゆるパーティになにかとテーマを付けて、参加者が仮装する、という習慣があります。娘の学校で年に2回あるSocial(ディスコパーティ。日本では考えられないと思いますが、夜6:00〜9:00まで、学校のホールで踊り狂うというイベント。参加料が学校の収益になります)でも、「60、70、80年代風」とか、「ロマンチック」とか、毎回、テーマが決まっています。で、今年の卒業式のテーマは、「POWER TO THE FLOWER」だそうです。なんだそれ? どこかに花を付けたらいいのかしら? まあ、そのあたりは本人の娘に任せましょう。
 案内状によると、卒業式そのものは、夜6:15から9:00まで開かれます。小学校の時は、とりあえず一人ひとりに卒業証書が渡されるところまでは親もいて、そのあとのピザのディナーとディスコパーティは子供だけで、また、親が迎えに来る、という形だったのですが、今回は親は参加せず、送り迎えのみの役割のようです。
 さらに、この案内状の下部を切り取って、「卒業式に参加することを認める」ための親のサインと、送り迎え担当者の氏名と連絡先を記入して、提出するようになっています。これがないと、子供は参加できません。
 さらに! 卒業式にはドレスコードがあります。Girlsの場合、ドレス、スカート、ふさわしいヒール・フラットシューズ、自分の文化のコスチュームでもOKです。Boysは、シャツとズボン、ネクタイはオプション、スーツもオプション、dress shoesをはくこと(つまり運動靴はだめ)。Boysももちろん民族衣装OK。Gパンはだめです。
 娘は、すでに先月、赤いリボンが付いて、黒いふんわりしたスカートのドレスを買いました。ショッピングセンターに行くと、季節に合わせて、こういうちょっとおしゃれなドレスがあちこちに置いてあります。靴は、私が持っていた黒いヒールを使うことに。「これで踊れるかなあ」なんて、試しにはいていました。そう、Graduationとは、やっぱり踊り狂うことなのです。日本のように、荘厳なセレモニーはありません。行事一つとっても、それぞれの文化でその行事に寄せる思い、感覚は違うなあ、と思います。そもそも、季節からして、こちらは夏だし。
 それにしても、あっという間に、卒業式が来て、あっという間に、高校生、大学生になって、あっという間に大人になっていくんだろうなあ。娘、そして夫、そしてウサギとの平凡で、つつましやかだけれど、穏やかな生活を大切に、慈しんで過ごしていきたいものです。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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