BLOG&NEWS

ANZAC DAY

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 4月25日はANZAC Day(アンザックデー)で、ニュージーランドは休日となります。
 今日も図書館で、「ANZACってなーに?」と子供に聞かれたお母さんが、「えっと、オーストラリアと、ニュージーランドが、えっと」と困っていましが、ANZACとは、Australian and New Zealand Army Corps、つまりオーストラリア・ニュージーランド連合軍を指します。
 1915年4月25日、ANZACはトルコのガリポリ半島においてトルコ軍と激戦を交え、多数の死者(ニュージーランド軍8000人、オーストラリア軍7000人)を出しました。1916年に、その死者を悼むセレモニーが開催されたのを機に、1920年代初期にはナショナル・ホリディとなりました。
 現在では、第一次世界大戦だけでなく、第二次世界大戦、さらにベトナム戦争や湾岸戦争なども含めて戦争犠牲者を偲ぶという日です。つまり、日本が敵国であった当時の犠牲者も含まれるということです。
 この日は、各地にあるWar Memorial Hall(普段は公民館のような感じで、一般にも貸し出される)で、礼拝や退役軍人のパレードなどのセレモニーが行われます。クリスマスやイースターなどのハッピーな気分のホリデーではなく、多くの人の悲しみが込められた厳粛な日なのです。
 今、私がこうやってオークランドで暮らせるのは、少なくとも、ニュージーランドと日本が平和なお陰です。平和というのは、空気や水と同じで、あって当たり前、あることに気づきもしないものですが、本当に有難いものです。
 そういえば、まだこちらに来て2、3年目に、郊外のB&Bに泊まった時のこと。夕食は、英国出身のホスト夫妻と、ホストの友人でたまたま遊びに来たオランダ出身の夫妻と一緒でした。彼らの戦争中の苦労話をゲストである私たち日本人が聞いている、という状況にふと感銘を受けた瞬間を覚えています。60年前の一般人にはあり得ない組み合わせでしょう。
 今も地球のあちこちで、戦争、内乱、暴動が発生しています。平凡ながらも、こうやって平和に、無事に過ごせることの有難さ、幸せに感謝の気持ちを忘れないようにしていきたいと思います。

Written by

記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

END