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野外コンサート

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 こちらでは夏の時期に、野外コンサートがあちこちで開かれます。基本的に無料。ただしたいていは、なんらかの団体への寄付を募っています。
 この週末は、毎年恒例の野外コンサート「Starlight Symphony」に出かけました。文字通り、夜空の下でオーケストラによる演奏を楽しむ、というもので、一流のクラシック音楽を気楽に満喫することができます。
 そしてなんと、今年はNZの珠玉ともいえるオペラ歌手、Kiri Te Kanawaが4曲も歌ってくれるというので、とても楽しみにしていました。本来は土曜日に開催予定でしたが、当日は朝から大雨。このため翌日に開催となりました。
 コンサートが始まる夜7:30は、まだまだ空は明るく、野外で音楽を聴きながら、持ち寄った食べ物でピクニック気分の夕食です。第1部はいつも、バイオリン、ピアノ、声楽などの様々なジャンルの有望な若手音楽家が出演します。
 そして必ず間に定番として演奏されるのが、ワルツ曲「美しき青きドナウ」。この曲ではみんなが立ち上がり、踊り出します。初めて見たときはびっくりしたのですが、みんな、本当に楽しそうに踊るので、なんだかこちらまでうれしくなります。うちは夫も娘もはずかしがって、相手になってくれませんが。
 そして休憩をはさんで第2部で、いよいよKiri Te Kanawaが登場! わやわやおしゃべりしながら聴いていた聴衆も、このときだけは無言で聴き入っていました。
 美しい歌声が心に染み入ってくるのが感じられ、3曲目のプッチーニの有名なアリア「Oh mio babbino caro(私のお父さん)」では、歌詞の意味も分からないのに(イタリア語)、なぜだか涙がぽろん、とこぼれて、我ながらびっくりしました。たぶん、心の中の美に反応するセンサーが働いたのだと思います。
 そして、イギリスの第2の国歌と言われる「Land of Hope and Glory」を皆で手をつなぎ、リズムに合わせて膝を伸び縮みさせながら歌うと(なぜだか知らないけれど、こうやって歌うのです)、クライマックスの花火が始まります。
 毎年飽きもせず同じ曲、チャイコフスキーの「1812」に合わせて、華やかな花火が打ち上げられます。日本の大規模な花火大会だと、人が多すぎて、人込みの中で遠くの花火を眺めることが多いと思いますが、こちらではすぐ真上の花火を楽しむことができます。しかもオーケストラの演奏付き。
 そして最後にニュージーランド国歌を歌って、10:30にお開き。次の日が月曜日で、朝起きるのがちょっとつらかったのは確かですが、本当に楽しいコンサートでした。

さあ、いよいよコンサートの始まりです。手前の紫の一群はコーラス隊。

「美しき青きドナウ」が流れると、あちこちでダンスが始まります。

Dame Kiri Te Kanawa

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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