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春到来

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 オークランドに春がやってきました。日本ほど季節ごとのめりはりがなく、天候はめまぐるしく変化しますが、それでも確実に、あちこちに春がやってきています。
 我が家で最も早く訪れる春といえば、娘の花粉症(英語ではHay Fever)です。こちらに来てから、8月中旬ぐらいになると、鼻水・鼻づまりがひどくなり、ティッシュペーパーが手放せなくなってしまいました。夫も花粉症ですが、時期が娘より遅く、どうやらアレルギー源が異なるようです。
 そして、春といえば、花です。あちこちで桜、梅、木蓮、椿などがいっせいに花を咲かせ、庭先は水仙、フリージア、パンジーなどで色とりどりになってきました。
 そういえば以前、こちらの人に、「日本人って、どうして桜に大騒ぎするの?」と聞かれたことがあります。この人が勤めるキウイフルーツファームに桜の木があって、春に訪れる日本人が一様に、「桜だー」と喜ぶのが不思議でならない、と言っていました。
 また、日本に住む外国人の書くエッセイで、「日本では、桜の時期になると、桜の開花がまるでトップニュースかのように、ニュース番組は連日報道する」という趣旨の内容を訳したことがあります。まったく別の仕事でも、「日本人は桜の季節になると、夜に昼に、花見に出かける」と説明している文章を訳しました。それほど、日本人以外の人にとって、日本人の花見という習慣、桜への思いは驚きなのです。
 当の日本人にしてみれば、桜は特別なものであり、特別であると意識することすらなく、特別扱いしている存在です。客観的に言ってしまえば、「たかが桜」なのに、季節を愛でる習慣のある日本人にとって、春という喜びの季節を象徴する、特別な意味が伝統的に刷り込まれた花なのだなあと思います。かくいう私も、この時期に満開の桜を見かけると、「あ、桜だ!」と言ってしまう典型的日本人です。
 それにしても、自然の力は不思議です。オークランドの天候は本当に変わりやすく、今日は暖かくて半袖でいいかと思えば、明日には暴風雨で暖房がないと過ごせない、というふうにめまぐるしく変わります。なのに、自然は春が来たことをちゃんと分かって、それぞれの花が思い思いに春を表現するのです。
 我が家のウサギ、Candyも、ずっと家の中にいるのに、人生(いや、兎生)初めての春を感じ取り、換毛期を迎えました。抜け毛のひどい時期は過ぎましたが、新しい毛がまだ完全に生え揃っておらず、黒と茶色の2色の「栗饅頭状態」になっています。

我が家の庭の(たぶん)梅の花。ただ今、ちょうど見ごろです。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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