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Jewels of Kyoto

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 3月初旬に、オークランドのAuckland War Memorial Museum(通称:オークランド博物館)で、二日間にわたって、日本領事館の主催で、「Jewels of Kyoto」というイベントが開催されました。「京都の宝石」、つまり、舞妓さんが京都からやってきて、芸を披露する、という催しです。

 なお、舞妓さんの説明は、Wikipediaに詳しくありました。また、イベント当日のパンフレットには、「Maiko are apprentices of Geisha, traditional Japanese female artists who have done rigorous training and are accomplished in the Japanese arts, such as tea ceremony, flower arrangement and dancing.」とありました。なるほど、なるほど。

 さて、イベント1日目は、一般への無料公開の催しで、私も娘と参加しました。踊りやお琴の演奏、女将さんによる舞妓・芸妓さんの説明、観客が参加するお座敷遊びなど、日本にいてもなかなか目にする機会がない舞台を堪能しました。ほとんどが日本人以外の方のように見受けられ、思ったより日本人の数が少なくて意外でした。

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写真左側の舞妓さんは、小さいころにウェリントンに住んでいたそうで、英語が流暢(しかもキウイアクセントがちょっとあった)でした。

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こちらの舞妓さんは、弦楽器が得意、とのことで、お琴を披露

 続いて、2日目は、オークランドで日本語を学ぶ高校生を対象にしたイベントでした。日本語を教えている高校に参加を打診して、あっと言う間に満席になったそうです。最近は中国語に押されて、日本語の学習熱は下火のようですが、まだまだたくさんの高校生が日本語を学んでくれています。

 私はここに、お茶の陰点て(舞妓さんが舞台でお茶を点てる以外の客のお茶を裏で点てる役)として参加しました。舞妓さんたちの習い事の一つに茶道も入っていて、こうやって人前で披露する機会があるのです。私は、参加しているお茶サークルのメンバーとして、お手伝い役に声を掛けていただきました。お道具は日本領事館の備品で、お抹茶やお菓子は舞妓さんが所属するお茶屋さんの女将さんが京都から持参されました。本番のお手前は、舞台裏で作業をしていたので拝見できませんでしたが、こんな貴重な機会に参加できて、緊張はしたものの、いい経験をさせていただきました。

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司会と説明は、女将さん(左側でマイクを持っている着物姿の女性)が英語で流暢にされていました。花街の世界も国際化が進んでいるようです

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ちなみにお化粧は、ベビーオイルで落とすそうです。

 観客から

の質疑応答の時間に、「大変なことは?」と質問されて、1月に2回しかお休みがなくて、お友達と遊んだり、いまどきのファッションを楽しめないこと、と答えていました。この髪型はかつらではなく、自毛で、2週間ごとにしかほどけないのです。そういう年齢相応のかわいらしい面を見せながらも、準備の打ち合わせや終わった後のやりとりでは、とても十代と思えないしっかりとした、美しい物腰と受け答えが印象的でした。花街の厳しいしきたりやしつけを身に付け、舞踊や楽器などのお稽古事にいそしみ、こうやって世界の舞台に立ったり(ニュージーランドに来る前はオーストラリアを巡業したそうです)、各界の名士の方々のお相手をするという経験を積むことで、世界に誇るエンターテイナーとなっていくのだなあ、と感心したのでした。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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