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和菓子コンシャス

ガットパルド(gattopardo)

通訳・翻訳者リレーブログ

どうも最近、和菓子がきになる。
「お菓子」といってもいろいろあるよね。甘いケーキやチョコレート、塩味や醤油味のおせんべいや、ポテトチップスに代表される「袋もの」、日本が世界に誇る羊羹、そしておまんじゅう。割きイカまでいくと「酒のつまみ」かな。しかしとにかく私の好みは、圧倒的にしょっぱいお菓子で、コカ・コーラにトルティーヤチップスをバリバリ食べながら徹夜で翻訳、なんて、ちょ〜体に悪いことを、けっこうな歳になるまでへーきでやっていました。
しかしいくらなんでも、体重よりも健康や血圧が気になって、体質改善ってほどでもないけど、最近はちょっと、食べるものには気をつけている。
しょっぱいお菓子を押さえてるせいか、口寂しい時、ふだんよりも「甘いお菓子」、それも「和菓子」に目が向くようになった。季節は春。春の花をモチーフにしたかわいらしい姿の甘味が、デパートの地下にわんさか。
そして「和菓子かあ・・・」と思いはじめた理由はもう一つ。通訳の仕事で出会うヨーロピアンで、レストランや飲料業界の人間はもちろんだが、とくにファッション関係や劇場関係者などの「美的感度」が高い人間達が関心を示すのが日本の「ラッピング文化」、そして、最後に行きつくのが一様に「和菓子礼賛」なのである。
あの、人の手先でこちょこちょと、花鳥風月をモチーフにして色粉をこねる、というのが、すごくおもしろいのだろう。そういうお菓子はマジパンや飴細工など、ヨーロッパにだってもちろんあるけれど、あの微妙にくすんだ色合いとか、細工の細かさは、やっぱり日本のものには日本のものだけの味わいがある。一緒に飲む飲料が、これまた、ヨーロッパにはない、見るも鮮やかな緑色の「お茶」というところも、ソソラレル理由なんだろうね。このことに気づいてから、海外へのてみやげに、緑茶のティーバッグと日もちのする和菓子を選ぶと、すごく喜ばれることを発見しました。
そして私自身もいま、和菓子コンシャス。おせんべいやチップスにくらべて「好きでない」ぶん、ありがたいことに、適度な量で「もういいや。」と歯止めがかかるから、体重維持効果もあって一石二鳥。コレ幸いにと、ちょっとずつ、いろいろ買ってはあじわい、また買ってはあじわい、の日々です。
桜餅、道明寺、草餅にあんこ玉。こんなにいろんな種類があったのね。羊羹も、下町の老舗の手作り本数限定ものから、とらやブランドの高いのから安いの、スーパーで売ってる廉価もの(だからといってまずいわけではもちろんない)まで、ああ極楽のグルメ人生です。
しかし、甘いものを食べながら翻訳したりすると、文章もいまいちあまったるくなって、ピリッとしたところがなくなったりするのかしらん???
今日までの人生、ほとんど素通りだったデパ地下の「和菓子売り場」で、時間使いすぎて深夜帰宅する日々だったりする。これはかなりハマッている、ということ? 思えば人生、まだまだ未開の分野がた〜くさん。長生きしないと楽しめませんね。
でもそういえば、最近、姓名判断の先生に運勢みてもらったら「ガットパルドさんは名前が16画で、なにごとも徹底してやんないと気がすまないタチですからねえ。」といわれた。私は自分のこういう「凝り性」は、父の教育の影響だと思っていたから「そんな、名前に左右されるもんなんですかあ?」と切り返したのですが、調べたら父の名前も16画でした・・・。
ちなみに今夜は、酒まんじゅうたべてコレ書いてます。

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ガットパルド(gattopardo)

伊・仏・英語通翻訳、ナレーション、講師など、幅広い分野において活動中のパワフルウーマン。著書も多数。毎年バカンスはヨーロッパで!

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