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ギャッツビーを求めて

昼顔

通訳・翻訳者リレーブログ

この1年間、なんだかんだ言って時間があるので、今までついつい読み損ねていたアメリカ文学作品をきちんと読むように努めました。

例えば、昔、夢中になって読んだEdgar Allan Poe、Earnet Hemingwayの「The Sun Also Rises」や「The Old Man and the Sea」。また、在欧州の同業者から是非にと勧められたJohn Steinbeck「The Grapes of Wrath」。現代モノですとPaul Austerの作品なんかも独特の世界観があって面白いかな。

この原作の映画がきっかけで子供のころフランスに興味を持った(というか主演のアラン・ドロンに一目惚れしてしまったというのが本当ですが…)Patricia Highsmithの「The Talented Mr. Ripley」。

そしてNew York近郊の避暑地Long IslandのHamptonが舞台になっているScott Fitrzgeraldの「The Great Gatsby」は外せない大好きな作品です。昔、小説も読んだはずなのですが、どうしてもRobert Redford主演の映画の方が印象が強かったため、改めて原作を手にとりました。

第1次世界大戦が終わった1920年代前半のアメリカの浮かれた時代。様々にせめぎ合う対立軸が複雑に絡み合いつつも、淡々と進んでいくプロットに人間が持ち得る恐ろしい性が浮き彫りになってきます。うだるような暑い夏の余韻に浸りたい方にはぜひお勧めです、この作品。

さて、この小説に大いに触発され、今年の夏は「ギャッツビーを求めて」をテーマに掲げ、ちょっとした小旅行に出かけてきました。まずは舞台になったHampton。Manhattanからも車で2時間程度ですし、今でも映画やTVドラマで高級避暑地の舞台としてよく登場します。小さな町で印象としては軽井沢のような雰囲気でしょうか。この地に別荘があればのんびりした素敵な時間が過ごせそう…ということは裏を返せば、数泊のみの旅行者だとここのすばらしさを十分に享受できない可能性もあります。

そして映画「The Great Gatsby」に出てくる邸宅として撮影されたRhode Island州Newportにも足を延ばしました。車ではManhattanから4時間弱。20世紀初頭に大富豪たちが競って立てた華麗な別荘地帯の一つにヴェルサイユ宮殿を模したRosecliffがあります。敷地に入った瞬間、映画のシーンが一つ一つが思い起こされ、気分だけは20年代にタイプスリップしたかのようでした。

残念ながら邸宅内は撮影禁止ですので、外側からの眺めだけをお楽しみくださいませ。

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昼顔

外資系金融、在ジュネーブ日本政府代表部での勤務を経て、外務省職員として採用。帰国後は民間企業にてインハウス通訳者としてキャリアを積み、現在は日英仏フリーランス通訳者として活躍中。昨年秋からはNYに拠点を移す。趣味は数年前から再び始めたバレエと映画鑑賞と美味しいモノの食べ歩き。

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