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一千万円のチョコレートお披露目パーティー

通訳・翻訳者リレーブログ

通訳という職業は、想像もしないような場所に行ったり、自分とは別世界の人に逢う機会がありますが、その中でも今年のトップ10にはランキング間違いのない御仕事の話をします。今年のバレンタインデイの少し前に突然舞い込んできた仕事。これが、一千万円のチョコレートのお披露目パーティーでの通訳でした。場所は麻布十番の会員制のクラブ。このパーティで大使館の方とこのチョコレート(並びにそのパーティーで出されたデザート)を作成した、元デンマーク王室のパティシエのモーテン・ヘイバーグ氏方がスピーチをするために通訳が必要になったのです。この会員制のクラブは(入会金こそは知りませんが)?億円もかけて、地下2階分のスペースをオアシスのように作り変え、座っただけで?十万円というとても特別なクラブとのこと。そしてここのママが二条夜子さんという女性。“夜子ママの人生”物語は4月にテレビで放映されましたので、ご覧になったかたもいらっしゃるとは思います。このママさんはわざわざデンマークにチョコレート作成の依頼をし、お客様の前でお披露目をし、最後にはこの高価な品物をお客さまにプレゼントしてしまいました。どうしてチョコが一千万なのかというと、チョコレートの上にダイアモンドがのっていたからなんです。暗い照明の中、(よくは見えないけど多分本物の)木がうっそうとしたスペース。そこに現れた白いドレスの女性とその取り巻きのお姉さん達。その中で本当にかわいらしい笑顔一杯でお菓子を頑張って焼いている若いイケメンの金髪のお兄さん。(これがヘイバーグさん)ケースの中で輝くダイア。その周囲を取り囲むTV用のカメラ、取材班。今年はアンデルセン生誕200周年ということでいらした大使館の方やお客さんや、もうさっぱりワケがわからない中でイベントが始まり、私は(多分誰も聞いていないだろうなと思いながら)お二人のスピーチを通訳しました。今考えてもとても現実離れした不思議な空間と時間の体験でした。

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記事を書いた人

大学在学中に通訳デビュー。外資系企業勤務を経て、フリーランス通訳者に。会議はもちろん、音楽、舞台、映画などの分野でもひっぱりだこ。クライアントからの指名率も高い。

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