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アメリカの匂い

Hubbub from the Hub

通訳・翻訳者リレーブログ

3週間の日本滞在を終え、アメリカに戻ってきました。出発当日は成田へ向かう道中に宮城沖で起きた地震に見送られ、地震が非常に少ない東海岸にでは体感することがない日本らしさを感じるようでした。そういえば、高校生の時にフランスから東京に交換留学していた学生は、日本到着翌日に、生涯初めての地震を経験したと言っていました。震度2位の揺れに驚いた彼は、2階にある自分の部屋から急いでホストファミリーのいる1階のリビングルームへ走ったとか。すると家族は特に慌てた様子も無く、彼は日本人の冷静さに感嘆したそうです。

さて、3週間ぶりにアメリカに戻り、なぜか今回は「アメリカの匂い」を強く感じています。どの国にも特有の匂いがあって、空港を出るとその匂いの影響で「ああ、外国に来たんだなあ」と思うことがあると言います。私も初めてアメリカに来たときや、オーストラリアや欧州へ行ったときに、その匂いを感じた記憶があります。しかし何度も日本とアメリカを往復し「アメリカの匂い」を最近感じなくなっていました。

しかし今回は別です。到着翌日に近所を散歩しようと一歩外へ足を踏み出すと、何か懐かしい、昔を思い出させるアメリカの匂いがしてきました。近所にある緑の自然が作り出す匂いなのか、それとも各家庭の匂いなのかわかりません。アメリカで人気のある洗濯用洗剤にも似た匂いです。都市の中心から少し離れた住宅地や自然のある環境でほのかに香る、非常に心地よい匂いです。

いつもは見る、聞く、触るなど、限られた感覚だけで日々を過ごしがちですが、匂いを楽しみながら街を散策すると、一味違った都市の様子が現れてきます。普段の生活でも同じでしょう。いつもは使わない感覚も総動員し五感をフル活用することで、きっと新しい発見があるはずです。

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Hubbub from the Hub

幼い頃から英語に触れ、大学在学中よりフリーランス会議通訳者として活躍、現在は米国大学院に籍を置き、研究生活と通訳の二束のわらじをはいている。

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