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正しい文法のススメ

the apple of my eye

通訳・翻訳者リレーブログ

驚いた。
昨日まで取り組んでいた英文和訳の原文なのだが、まるで文法が滅茶苦茶なのである。
動詞の人称や単数複数の間違いなんて、軽い軽い。
1つの文章の中で、 and を挟んだ前半の節と後半の節の主語が異なるはずなのに後半を省略しちゃってるとか、文章の動詞がない、動詞があっても今度は目的語がない、などなど。
翻訳を仕事にして結構な年月になるし、原文にミスがあるのは日常茶飯事だが、こんなに間違いだらけの英語に出会ったのは初めて、くらいの勢いだった。
ちょっとププっと笑ってしまったのは、ある部屋の面積を表すときに、” wide 80 square meters” となっているところ。wide は「(幅が)広い」である。でも名詞形の width は「広さ」という訳語をあてることも。もしかして、面積の「広さ」を言おうとして、wide を使っちゃったの? もうひとつ、the last day of the month と言うべきところが、the end of day of the month になっている。どうしてend day じゃなくて end of day になっちゃったのかな、と思ったのだが、もしかして日本語のように「最後」「の」「日」と考えて、「の」のつもりで of が入ったのかな? ということは、この英語を書いた人の母国語は日本語と似ているのかも! amount money は amount =「額」と、money =「金」で、「金額」!
いや、そんな想像ごっこをして遊んでいるヒマはなかったのだが。
それにしても、主語や動詞や目的語がなかったり違うものだったりするこの原文を、よくぞ解読しきったものだと我ながら感心。
文書が契約書だったということもある。契約書は概して、似たような表現を反復して固定的に用いるので、単語が欠けていても想像がつくことが多い。
それでもやはり、文法的な間違い方が、何となく日本人である私にわかりやすい間違い方だったのでは、と思ってしまう。

えー、英語学習に努力されているみなさん。
ダイジョウブです、文法なんてたいして重要ではありません。
相手が解読してくれればそれでOK。
ちょっとくらい、冠詞の a や the が抜けていたり、三人称単数現在の s を入れ忘れたりなんて誰も気にしません!

いや、やっぱり少しは気にするか。

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記事を書いた人

the apple of my eye

日本・米国にて商社勤務後、英国滞在中に翻訳者としての活動を開始。現在は、在宅翻訳者として多忙な日々を送る傍ら、出版翻訳コンテスト選定業務も手がけている。子育てにも奮闘中!

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