INTERPRETATION

第42回 類語をまとめて覚えよう! その3 横ばい

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。第40回より類語をまとめて紹介しています。これまで「上がる・増える」「下がる・減る」の類語を取り上げたので、今回は「横ばい」に関連する言葉を考えてみましょう。逐次メモでは、平らな右向きの矢印で表せる表現です。増えても減ってもいない「横ばい」状態は、経済ではふつう否定的な意味で使われます。

では、まず「横ばい」の類語、日本語では何があるでしょうか?

・停滞

・低調

・低迷

・足踏み状態

・頭打ち

・底ばい

・伸び悩み

・高原状態

「上がる」や「下がる」ほどたくさんは思い浮かびませんが、英語の表現はいかがでしょうか?

・sluggish: 「景気低迷」のニュアンスでよく使われるのが、このsluggish。sluggish consumption(消費低迷)、sluggish demand(需要不振)、sluggish global economy(世界経済の停滞)など、残念ながら(!)最近よく聞く言葉です。stagnantとも。

・flatten off/out:  それまで上昇または下降していた数値が横ばい状態になること。価格や売上高などに使われます。例:The housing market continues to flatten out.(住宅価格の横ばいが続いている。)level off/outとも。 

・sideways: 文字通り、「横向きの」という意味ですが、価格が上がらないことをa sideways trend、そのような市場をa sideways marketと言います。

・remain level/unchanged/flat:しばらく変化のない状態が続いていること。Sales have remained unchanged for the past two years(この2年間の売上高は足踏み状態)。

・plateau: 「プラトゥ」と発音。元々は「台地」の意ですが、名詞と動詞の両方の用法あり。reach a plateauまたはhit a plateauで、「高原状態になる/頭打ちとなる」。

以上、今回は「横ばい」にあたる類語表現を紹介しました。他にもいい表現があれば是非 hi-career@ten-nine.co.jpまでお知らせください。

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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