INTERPRETATION

第68回 「グローバル化のメリット」とは?

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。前回からグローバル化(globalisation)を取り上げていますが、今回はそのメリットについて考えてみましょう。前回同様イギリスの経済学の教科書(高校レベル)から引用します。

Globalisation has brought many Benefits to economies. という見出しの下に以下9つの項目が記載されています。ここでのbenefitsは「恩恵、メリット、長所、利益、利点」などと訳すことができます。では、まず太字のキーワードに注意して英語のみでお読みください。

1) Trade encourages countries to specialise in the goods and services they’re best at producing/providing, which increases output.

2) Producers can benefit from economies of scale and lower production costs because markets become bigger when countries trade. Global sourcing (i.e. countries buying things, such as raw materials, from anywhere in the world) has also led to lower raw materials costs.

3) Globalisation can allow countries to produce the things where they have a comparative advantage, leading to an improvement in efficiency and the allocation of resources.

4) Lower production costs are also sometimes passed on to consumers in the form of lower prices.

5) Globalisation provides consumers with a greater choice of goods and services to purchase.

6) World GDP has risen as a result of globalisation due to many factors – for example, increased efficiency means firms can increase output. Countries which aren’t open to trade have seen a reduction in their growth rates.

7) Globalisation has also helped to reduce the levels of absolute poverty in the world because levels of world employment have increased – e.g. as increased output has meant the creation of more jobs.

8) Increases in competition brought about by globalisation can lead to lower prices for consumers.

9) There has been an increased awareness of, and quicker responses to, foreign disasters (e.g. earthquakes) and global issues (e.g. deforestation) and their consequences.

ではキーワードを使って簡単にまとめると…

1)それぞれの国が得意とするモノやサービスに特化する(specialise)ことによって生産高が増える (increase output) 。

2) 生産者はスケールメリット (economies of scale: 生産量が増えるにつれ単位当たりの生産コストが下がり利益率が上昇すること) の恩恵を受ける。原料をグローバルに調達することで原料コストを削減。

3)比較優位性(comparative advantage)を持つモノの生産をすることにより効率性が上がり、資源配分(allocation of resources)も改善する。

4)生産コストの低下(lower production costs)によって物価が下がる (lower prices) →消費者が恩恵を受ける。

5)消費者にとってモノやサービスの選択肢 (choice) が増える。

6)世界全体の経済活動 (World GDP) が増加。効率性 (efficiency) が高まることにより生産高が増える (increase output) 。保守主義的な国 (countries which aren’t open to trade) は成長率が減速 (reduction in their growth rates) 。

7) 世界的に雇用が増加し (employment increased, more jobs) 、絶対的貧困 (absolute poverty) の状態にある人々の数が減少 (reduce)。

8)競争 (competition) が増すことにより物価が下がる。

9)海外で発生する災害 (foreign disasters) やグローバルな問題 (global issues) に対する意識が高まる (increased awareness) 。

ということで、グローバル化により、経済が活発になり、選択肢が広がり、モノの値段が下がり、貧困も減る…などなど、いいことづくめ(?)という感じがするのに、アメリカ、フランス、ドイツなどの主要先進国で反グローバル化の動きが高まっているのはなぜでしょう? グローバル化の弊害については次回取り上げます。

ところで、前回お伝えした欧州連合(EU)とカナダの包括的経済貿易協定(CETA)は7年間かけた交渉の後、執筆日の今日(10月30日)やっと署名される見通しです。署名直前にベルギーの地方議会の反対を受け、同協定の崩壊も危ぶまれましたが、なんとかそれは避けられたようです。日本もEUとは経済提携協定(EPA)の交渉中なので、今後の動きに注目です。

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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