INTERPRETATION

第35回 ミャンマーから目が離せません。

原不二子

Training Global Communicators

20年余の自宅軟禁から解かれたアウンサン・スーチー女史がタイ、スイス、ノルウェー、英国などの世界各地で祖国の民主化に向けた努力を支えて欲しいと訴え、感動をよんでおられます。

1948年、連邦国家として英国の統治下から独立したビルマは、135に上る少数民族を束ねることが困難であったことから軍が政治に介入した結果、軍事主導の政治体制が長く続くことになりました。その間も絶え間なく、ビルマの人たちを支え続けた日本財団の笹川陽平会長は、このほど、日本政府から「ミャンマー少数民族福祉向上大使」に任命されました。

その日本財団からの支援により設立された笹川平和財団からの依頼を受け、ディプロマットは、2014年にASEAN議長国を務めるミャンマーで、同国内における同時通訳官養成の大役を任されることになりました。

「武力・金力等の権力で政治を支配する時代は過去の遺物。21世紀は、対話とコミュニケーションで問題を解決していく時代。通訳官の役割は大きいので、そのつもりで能力を発揮して欲しい」ことをミャンマー国内の各省庁エリート事務官に訴え、通訳官養成に向けた一歩を歩み始めました。                 

原 不二子

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原不二子

上智大学外国語学部国際関係史研究科博士課程修了。 祖父は「憲政の父」と呼ばれた尾崎行雄、母は「難民を助ける会」会長の相馬雪香。母の薫陶により幼い頃からバイリンガルで育ち、21歳の時MRAスイス大会で同時通訳デビュー。G7サミット、アフガニスタン復興会議、世界水フォーラムなど数多くの国際会議を担当。AIIC(国際会議通訳者協会)認定通訳者で、スイスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)、ILO総会の通訳を務め、最近では、名古屋における生物多様性(COP/MOP)会議、APEC女性リーダー会議、アジア太平洋諸国参謀総長会議、ユニバーサル・デザイン(IAUD)会議、野村生涯教育センター国際フォーラム等の通訳を務めている。

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