INTERPRETATION

第39回 近隣友好について

原不二子

Training Global Communicators

 9月10日、例年中国で行われる世界経済フォーラム(サマーダボス)での通訳業務の為、韓国仁川国際空港経由で中国の天津に入りました。乗り継ぎデスクを探して通路を歩いていると、来韓者を歓迎する日の丸と韓国の国旗が掲げられているのが目にとまりました。私の気持ちを代弁するかのように、 「ああ、良かった。歓迎してくれているよ。」と言う日本の若者の声が聞こえて来ました。

 天津空港に着いて、宿泊先ホテル行きのシャトルバスを待っていると、温家宝首相の姿がテレビに映しだされ,「釣魚島の件では,日本とは断固として妥協しない」と言うスーパーが目に止まりました。

 隣国との友好関係が損なわれると、仕事にせよ、遊びにせよ、安心して旅行することもできなくなるのではないか、と思いました。

長年、仕事などで旅している私にとってはじめて感じた危惧でした。                                                                原 不二子

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原不二子

上智大学外国語学部国際関係史研究科博士課程修了。 祖父は「憲政の父」と呼ばれた尾崎行雄、母は「難民を助ける会」会長の相馬雪香。母の薫陶により幼い頃からバイリンガルで育ち、21歳の時MRAスイス大会で同時通訳デビュー。G7サミット、アフガニスタン復興会議、世界水フォーラムなど数多くの国際会議を担当。AIIC(国際会議通訳者協会)認定通訳者で、スイスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)、ILO総会の通訳を務め、最近では、名古屋における生物多様性(COP/MOP)会議、APEC女性リーダー会議、アジア太平洋諸国参謀総長会議、ユニバーサル・デザイン(IAUD)会議、野村生涯教育センター国際フォーラム等の通訳を務めている。

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