INTERPRETATION

第39回 「後回しにする」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

pigeonhole 後回しにする

Don’t pigeonhole the invitation just because you are not interested in the group.

そのグループに興味がないからといって、招待を後回しにしてはいけませんよ。

  pigeonholeは「ハト小屋」という名詞ですが、今回ご紹介するのは動詞としての使われ方です。「後回しにする、握りつぶす、棚上げにする」という意味や「(書類を)書類棚に入れる」「(人や物を)~として分類する」という意味もあります。また、アメリカの議会ではto pigeonhole a legislationといった場合、「審議を延期して後回しにする」という状況を表します。

「ハト」はpigeonの他にdoveという単語があります。通常pigeonは飼いバト、doveは小型の野生バトと定義づけられます。平和の象徴としてのハトはthe dove of peace であり、the pigeon of peaceとは言いません(pの頭韻がリズム的に良さそうだと私には思えてしまうのですが)。一方、アメリカでは略式表現でpigeonを使った場合、「騙されやすい人」というネガティブな意味があります。

pigeonを使った表現は他にもpigeon-hearted(気の弱い、怖がりな)、pigeon-toed(内またの)、stool pigeon(スパイ)などがあります。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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