INTERPRETATION

第38回 被災地の高校生英語強化キャンプ

原不二子

Training Global Communicators

 北海道サロマ湖畔で8月19日から26日まで、東日本大震災被災地の高校生11人を対象にした英語強化キャンプを開催しました。私が通訳仲間の山田麻理さんと一緒に企画したもので、「難民を助ける会」の山田かおりさんによる関係者との交渉、地元の漁師さんによる協力など、実に多くの有志とともに成功裏に終えることが出来ました。

 シンガポールからは、同数の日本語研修生がボランティアで来日。札幌からはスコットランド人の英語の先生、名寄からは13歳を頭に8人の男の子と1歳半の女の子の大家族を引き連れた牧師さんでもあり、英語教師でもあるご夫婦が参加するなど、賑やかな異文化生活が送られました。

高校生たちは、子どもたちともすぐに友だちになり、英語で話したり、日本語を教えたりすることで交流を深め、現在の日本社会では珍しくなってしまった暖かい家族のあり方を身を以て体験しました。世界遺産である「知床」の自然峡を心ゆくまで満喫しながら、 自分を知り、未来を考える良い機会になったと思います。

この企画を更に充実させて来年も継続したいと思っております。    

原 不二子 

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原不二子

上智大学外国語学部国際関係史研究科博士課程修了。 祖父は「憲政の父」と呼ばれた尾崎行雄、母は「難民を助ける会」会長の相馬雪香。母の薫陶により幼い頃からバイリンガルで育ち、21歳の時MRAスイス大会で同時通訳デビュー。G7サミット、アフガニスタン復興会議、世界水フォーラムなど数多くの国際会議を担当。AIIC(国際会議通訳者協会)認定通訳者で、スイスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)、ILO総会の通訳を務め、最近では、名古屋における生物多様性(COP/MOP)会議、APEC女性リーダー会議、アジア太平洋諸国参謀総長会議、ユニバーサル・デザイン(IAUD)会議、野村生涯教育センター国際フォーラム等の通訳を務めている。

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