INTERPRETATION

第65回 LとR

寺田 真理子

マリコがゆく

「LとRの発音の研究に1年を費やした」

そんな話を聞いてびっくりしたことがありました。この方、なにも言語研究をお仕事にしてるとかいうわけじゃないんですよ。ただ、英語が好きで勉強してて、発音につまずいたそうなんですが…。うーん、すごいです。その熱心さがあれば、世の中たいていのことはできるのでは?というより、その1年でもっといろんなことができる気がしてしまいます…。

韓国では、LとRの発音ができるようにするために、子供のうちから舌を切るという話も聞いたことがあります。なんだか壮絶です。

「LとRの区別に、そこまでの価値があるわけ?」

語学を生業としているとはいえ、まっとうな神経を保っているつもりのマリコとしては突っ込みたくなります。

でも、世の中には「LとRさえ美しく区別できたら、あとはどうなってもいい!」みたいな宗派の方々が結構いるようなのです。

そんなことにこだわらなくても、「めっちゃジャパニーズ・イングリッシュ!」の通訳者陣が活躍しているのは、みなさんご承知の通りです。LとRの発音にとらわれて先に進めないよりは、どんどん英語を使ったほうがいいと思いませんか?そのほうが、絶対上達も早いし、世界も広がっていくはずです。

あまり発音にこだわらないのは、私の英語が南米訛りだからでしょうか……。

そもそも現場では、インド訛りやら中国訛りやらで、LもRもありませんものね。間違えたって、そんなのは死活問題じゃないですよね。

あっ!でも、これだけは!

ElectionとErection。

こ、これだけは間違えないで頑張っていただきたいところであります!

Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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