INTERPRETATION

第65回 「フライングする」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

jump the gun  フライングにする

The media jumped the gun and disclosed the name of the next chairman.

マスコミはフライングして次期会長の名前を公にしました。

 jump the gunという表現は、「フライングする」という意味です。これは元々、スポーツ競技などで開始のピストルが鳴る前に飛び出してしまう様子から来ています。これが転じて「許可なく始める、早まる」という意味でも用いられています。

 私は放送通訳でアメリカCNNのニュースに携わることが多いのですが、アメリカは銃社会であるためか、銃に関する報道が少なくありません。一言で銃と言っても実にたくさんの種類があり、名称や口径、威力など細かい点も訳す必要があります。日本ではなじみがないだけに、ニュースで出てくるたびに調べては理解するという作業を繰り返しています。

 ちなみに日本語の「フライング」は和製英語です。英語ではbreakawayと言います。最近はカタカナの単語がたくさん使われていますが、果してそのまま英語で用いられるのか疑問に思うことも語学学習では楽しい作業です。国語辞典で調べてみると、和製英語にはそのように表記されていますし、インターネットで「(調べたい単語) 語源」と入力すれば、その由来も分かります。「何だろう?」と思ったことはひと手間かけて調べてみる。それが自立した学習へとつながります。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学・順天堂大学非常勤講師。 上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。 ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。 ESAC(イーザック)英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 通訳学校にて後進の指導にあたるほか、大学での英語学習アドバイザー経験も豊富。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)、「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題」(旺文社、2014年:共著)。

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