INTERPRETATION

「テキストメッセージの英語1」

木内 裕也

Written from the mitten

 携帯電話を使ったメール(SMS)はアメリカでも非常に頻繁に使われています。通常はText Messageと呼ばれ、待ち合わせをするときに、Can you text me when you get there?などというように、Textという単語が動詞で使われてもいます。私が使っている携帯電話だと、1つのメッセージに160文字しか書けません。携帯電話の会社や機種によって差はあるようですが、基本的には大体同じくらいの最大文字数が一般的です。そのため、様々な省略表現がテキストメッセージでは使われています。

 テキストメッセージは老若男女が使っていますが、若い層ほど省略表現を使う傾向にあります。例えば30歳や40歳の審判仲間から届くメッセージは、普通の手紙やメールを同じように書かれています。したがって、ある1つの用件のために2通や3通のSMSが届くことが珍しくありません。逆にまだ高校生や大学生の審判仲間から届くメッセージは、用件が見事に伝わりながらも、巧みに省略表現や手法が使われています。

 限られた文字数でより多くを伝えるために行われるのは、ピリオドなどを省略すること。例えば今朝届いたメッセージはこう書かれていました。Thats not nice of him I was late to work this morning cuz I didnt wanna get out of bed That’sではなくThat’sにし、Didn’tではなくDidn’tにするだけで、2文字減ります。BecauseをCuzにするのは一般的ですが、場合によってはbcと書くこともあります。またHimの後に本来はピリオドがあるべきですが、それもありません。このメッセージは文字制限ぎりぎりではないので、ある程度本来の文章が残っていますが、もっと書くことがある場合には、not nice of him was late to work this morning bc didn wanna get out of bedとするかもしれません。

 英語の特徴として、かなりスペルに間違えがっても、最初と最後の文字さえ正しければ比較的内容の理解に支障がない、ということがあります。例えば以下の文章はスペルはかなり問題がありますが、十分に何が書かれているか分かるはずです。

i cdnuolt blveiee taht I cluod aulaclty uesdnatnrd waht I was rdanieg. The phaonmneal pweor of the hmuan mnid, aoccdrnig to a rscheearch at Cmabrigde Uinervtisy, it dseno’t mtaetr in waht oerdr the ltteres in a wrod are, t he olny iproamtnt tihng is taht the frsit and lsat ltteer be in the rghit pclae. The rset can be a ta otl mses and you can sitll raed it whotuit a pboerlm. Tihs is bcuseae the huamn mnid deos not raed ervey lteter by istlef, but the wrod as a wlohe. Azanmig huh? yaeh and I awlyas tghuhot slpeling was ipmorantt!

もちろん、英語学習者にとっては読むのが難しいでしょうが、すらすらと英文を読めるレベルになれば、上記の英文も問題なく読むことができます。つまりそれほどスペルを追っているわけではないということです。したがって、テキストメッセージでもかなりスペルミスは無視されます。友達同士でのやり取りですから、相手が理解できると判断すれば、わざわざスペルミス(ボタンの押し間違えによって頻繁に起こります)を修正はしません。

 来週もテキストメッセージに関連した英語です。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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