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おぉ、カナダ〜♪

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通訳・翻訳者リレーブログ

前世や胎内の記憶にまつわる本を読み、非常に神秘的で素敵なその内容に、夢中になったことが度々あります。
で、自分はどうだろう…と思い返してみるたび、脳裏に蘇る最初の記憶は、3-4歳の頃。カナダはロッキー山脈の麓にある、自然に囲まれた小さな町。そこで私は、インディアン(今でいうネイティヴ・カナディアン、ファースト・ネイション)やエスキモー(イヌイット)、それからオランダやフランスやハンガリーや、中国などからの移民と一緒に、教室内のカナダ国旗に向かい、カナダ国歌を歌いながら、1日が始まる生活を送っていました。
……って、いえいえ、これ、前世でも何でもなく、立派な現世の記憶です。とほほ。それ以前のことは、どう頑張っても思い出せませぬ…。

で、とにかく、生まれは東京なのですが、父の転勤に伴い、家族共々カナダへ渡り、気がついたらそういう生活を送っていたのです。もちろん外でも家の中でも、会話は英語。カナダへ渡る前までは、言うまでもなく、日本語を話していた…らしいのですが、本人にそんな記憶などなく、それどころか、自分が“日本”で生まれ、其処に数年間住んでいた“日本人”だという概念など、まるでないわけです。“このままいったら、ヘンテコな日本人になってしまう!”…と慌てた両親は、せめて家の中でだけでも日本語を…と、それはそれは努力をした…らしいのですが、何せ近所にも幼稚園にも、日本語を話す人は皆無。かつ今のようにVHSやDVDなど、まだ世に存在しない時代…。父よ母よ、無理ですったら!
日本食も時々食卓に並んでいた…らしいのですが、普段食べていたのは、他のカナダ人同様、“狩で獲た獣の肉を焼いたもの”。その結果、今でこそ繊細でお腹にもたれない日本食は大好き…です…が(はい、年取りました)、“最後の晩餐に何が食べたい?”…と聞かれたら、迷わず、ローストビーフORターキーの丸焼き&グレイビー&マッシュト・ポテト&ニンジン&グリーン・ピース&クランベリー&チェリー・パイ+バニラ・アイス!

こ…こんな私に何処がした?!

そんなカナダでの日々は、小3の終わり頃まで続くのですが、とにかく楽しい日々でしたね。週末は近所の友達家族と、トレーラーを引っ張り、ロッキー山脈や湖や草原へ出かけ、バーベキューをしたり釣りをしたり、先週書いたとおり、色々な野生動物との遭遇にワクワクしたものです。
また、恐竜で知られる村まで行き、骨の発掘に熱中したのも、とても素敵な思い出(現在では勝手に持ち出してはいけないそうです。御注意をば)。だから私は今でも、恐竜フリーク。
心に残る行事も数多く。グラウンドホッグ・デイ、セント・パトリックス・デイ、イースター、自分の馬を持ち寄る夏の風物詩、ハロウィン、サンクスギヴィング・デイ、クリスマスなどなど。
また冬場は−20℃は当たり前の土地柄ゆえ、スケートは朝飯前。デストロイヤー(古い?)顔負けのマスク被り、凍った道を滑りながら学校へ通っていましたもん。その方が滑らないし、早いからね(って、立派に滑ってるんだけどね、ってなに言ってるんだか、分からなくなってきたが…)。凍った湖の上でも、滑っていました。車ごと上陸(上湖?)して。で、飽きたら、氷に穴開けてニジマス釣り。だから私は今でもニジマス大好き、そうして顔が割れるくらい寒い地へ行くと、意味なく吠えたくなります。

このカナダへ再び戻ったのは、25歳くらいの頃。はい、そうとう経ってからです。で、これがまた、大変でした。キラキラ煌めく町明かりが、眼下に広がり始めた瞬間から、涙がドカドカ溢れ出て、どうにも止まらず…で、冷静になろうとすればするほど、カナダ国歌が頭の中に鳴り響き、“病状”は悪化するばかり。で、結局、ドロドロの顔のまま、飛行機を降り、出迎えに来ていた地元友人達にギョッとされ、事情を話したら、はい、思いっきり笑われました(し…失礼な!)。
なので、それ以降はヴァンクーバーなどへ寄り道し(あそこの島々、とても美しくて好き)、数日間滞在し、クジラ・ウォッチングしたり、雲を眺めたりしながら、しっかり心の準備をした後に、現地入りするようにしています。あぁ、情けなっ。

楽観的&大まかなところ(友達は“能天気で適当なヤツ”と言うが)は、彼の地に住む友人達共通の特徴。また、動物のいない生活など考えられないのも、冬大好き&夏苦手なのも、銀世界を見ると歓喜の雄叫び上げたくなるのも、すべては此処で大切な幼年期を過ごしたお陰(せい?)なのでしょう。

今でも、パソコン・デスクトップには、現地生映像が映るようにしてありますし、メイプル・リーフのピアス&ブレスレットは、肌身離さずお守り代わり。また日々寛ぐコーナーには、大好きなロッキー山脈の油絵が。これ当時、応接間に飾ってあった作品なのですが、目の前にないと、どうも落ち着かない。それから仕事机前の壁には、カナダのカレンダーが掛かっていて、原稿書きに疲れた時には、ボーッと眺めては元気を貰っています。あっ、この素敵なカレンダーについては、長くなるので、次の機会にゆっくり書きますね…。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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