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Coolな日本文化

Hubbub from the Hub

通訳・翻訳者リレーブログ

先日MIT(マサチューセッツ工科大学)にて、"Cool Japan: Media, Culture, Technology"というプロジェクトの第1回目のミーティングが行われ、出席しました。MITとハーバード大学がスポンサーとなり、日本の大衆文化、メディア、テクノロジーが世界の中でどのような位置を占めているかを考える集まりです。私の専門は日本研究ではありませんが、メディアやテクノロジーなどの分野を専門にしていることから、招待をしていただきました。

初回の集まりですので、自己紹介をしたり、プロジェクトリーダーが本プロジェクトの目的を説明したりと言う当たり前のアジェンダをこなした後、プロジェクトのタイトルでもある"cool"という言葉について短いディスカッションを行いました。

日本語でも最近は「クール」と言ったりしますが、19世紀中ごろから「かっこいい」と言う意味のCoolという単語は存在していたようです。しかしその意味するところは時代と共に変化し、「これぞCoolの定義!」と言ったものはなかなか見つかっていません。そしてCoolを日本語に置き換えた時、連想される言葉は「かっこいい」に始まって「粋」といった伝統的な言葉まで出てきます。場合によっては女子高生が連発する「かわいい」もCoolかもしれません。特に最近は「えろかっこいい」「萌え」という言葉も流行しているとか。前者はまさに大衆文化から、後者はインターネットと言うテクノロジーに由来する言葉です。

この様にメディア産業、ファン文化、著作権、デジタル技術、そして「クール」をめぐる経済が変化する中で、多くの外国人が「Japan is cool」と考える理由が何処にあるのか、今後のミーティングで話し合いを行っていきます。

香港でも日本文化の人気は高く、ファン雑誌も沢山売れているようです。中国語で書かれた雑誌の中には多くの日本語の単語が含まれていて、日本語の知識が無ければそれらの雑誌を読んでも理解できないことがあるとか。カタカナばかりのIT用語のようなものでしょう。またハリウッドが日本文化に示す関心も依然大きく、「Kill Bill」のような映画から、最近の「Memoirs of a Geisha」まで。もちろんハリウッドの映し出す日本文化には問題も多いですが(脇役の人が着物を右前で着ていたり・・・・・・)、明らかに日本は関心の的となっています。

参加者は香港、ギリシャ、イスラエルなどあちらこちらの出身です。日本の何がCoolなのか、学んで来たいと思います。

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Hubbub from the Hub

幼い頃から英語に触れ、大学在学中よりフリーランス会議通訳者として活躍、現在は米国大学院に籍を置き、研究生活と通訳の二束のわらじをはいている。

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