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それは、どこ?

the apple of my eye

通訳・翻訳者リレーブログ

米国時代に知り合った人で、ダム建設の技術者として世界中を飛び回っているカッコイイおじさんがいらっしゃる。今度はベトナムだ、次は中国だと土産話も楽しく、最近は出張先のネットカフェなどからメールを下さったりする。先日、「今度はまたコスタリカだ」と、サンホセのホテルからメール。今は乾季で日中は暑いくらいというので、「季節は夏ですか?」と返信したついでに、某携帯電話会社のオマケでもらった愛用の時差早見版には「北半球の地名しかないので、時差はどのくらい?」と送ったら、「アホ!コスタリカは北半球だ!」と叱られてしまった。
こういうドジはよく踏んでしまうのだが、翻訳でも地名が登場することがよくあって、仕事場には地図などの各種資料を用意している。共同通信社の『世界年鑑』なども便利だ。
たとえば、province は行政区分の呼び方として、カナダでは「州」だがスペインでは「県」というように、国によって訳しかたが違う。逆に「州」といっても、前述のように province もあれば、米国の state、ドイツやオーストリアでは Land、などなど。フランスではこれに相当するのが department で、訳し方は「県」。あー、ややこしい! 通常の辞書ではなかなか詳しく書かれていないので、『世界年鑑』はお役立ち。
ロンドンで地下鉄テロがあったときは、英国時代に購入しておいたポケット版の『London A to Z』が活躍。地下鉄路線図も載っているし、索引から通りの名前で場所を確認できる。先日の石油貯蔵庫爆発があったロンドン郊外の Hemel Hempstead の場所は『Collins Road Atlas Britain』が教えてくれる。なるほど、St. Albans に住む知人が「地震かデカイ雷かと思って飛び起きた」と言うわけだ、と納得。
もちろんインターネットも便利だ。米国の Sunbelt と呼ばれるのはどの州とどの州か、というのを調べたい時、英和辞書には「米国の温暖地帯」としか書いていない。インターネットで検索すれば「アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、ルイジアナ、ジョージア、ネバダ、ニューメキシコ、そしてテキサス、が通常『サンベルト』と認識される州で、サウス・カロライナ、ミシシッピおよびアラバマも天候的には含まれるが、バージニアは判断が分かれる」と教えてくれる。
それにしても、こうも地理に弱いのは、その昔、「共通一次試験」というのを受けたとき(年齢がばれそうだが)、地理を選択科目にしなかったせいだ……ということにしておこう。せめて、最低でも国の名前を聞いた時に、それが南半球なのか北半球なのかくらいは即座に答えられるようにしたい。
今年の息子のクリスマス・プレゼントに、ペンで場所を指すと国名などを音声で教えてくれる地球儀を調達。地名から場所を当てるクイズも楽しめるらしい。実はママが一番使いそうな気がする。ゴメンネ。

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日本・米国にて商社勤務後、英国滞在中に翻訳者としての活動を開始。現在は、在宅翻訳者として多忙な日々を送る傍ら、出版翻訳コンテスト選定業務も手がけている。子育てにも奮闘中!

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