INTERPRETATION

第74回 今年どんな言葉をググりましたか?

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

年末が近づき、「今年を振り返る」ニュースも増えましたが、先週Googleが2016年の検索ランキングを発表したのはご覧になりましたか? 各国別の検索結果をグローバルの検索結果と比べるのも興味深いです。そこで今回は、日本イギリスグローバルの検索結果を比べてみましょう。

世界共通の今年のトレンドとしてはやはり「Pokemon Go」のようです。他、Donald TrumpやOlympics、iPhone 7、US election(アメリカ大統領選)などが上位にランクイン。日本では、smap、熊本地震、君の名は、シンゴジラ、ピコ太郎、台風10号など日本の文化・災害に関連した用語が急上昇した一方、イギリス・グローバルではDavid Bowie、Prince、Alan Rickmanなど急死が衝撃的ニュースとなった著名芸能人がよく検索されたようです。

興味深い点としては、イギリスではPokemon Goを破ってEuro 2016がトップだったことと言えるでしょうか。Euro 2016(UEFA欧州選手権)は、ヨーロッパ各国の代表チームによって争われるサッカーの大会(4年毎に開催)で、ヨーロッパではワールドカップと同等、一部ではそれ以上に注目されています。6月に開催されるため、イギリスの受験シーズンと重なり、本大会が開催される年は全国の平均点が少し下がるほどだそうです(試験直前にサッカーの試合を見ているから)。また、Euro 2016でイングランドが勝ち進んでいたこともイングランド人の愛国心を煽り、EU離脱に投票した人もいると聞いています。このような現象からイギリス人がどれほどサッカーに情熱を抱いているのかがお分かりいただけると思います。またEU referendum/Brexitは、上記のEuro 2016、Pokemon Go、David Bowie、Donald Trump、Princeを下回ったというのも興味深いですね……。そういえば、国民投票の結果が出た直後にWhat is the EU?という検索が急増したというニュースもありましたね。

またアメリカやイギリスではMeghan Markle(米女優)もかなり検索されたようです。日本にお住いの方にはピンとこないかもしれませんが、今年10月に英王室のヘンリー王子が交際宣言をしたことから注目を浴びるようになりました。

ところで「検索する」は英語で言うと何でしょう?

look upやsearchのほか、ウェブ検索の場合Googleが動詞で使われます。日本語で「ググる」というのに似ていますね。

以上、今年よくグーグル検索された語を取り上げました。皆さんが検索した言葉は上位に入っていましたか? 私はたぶんEuro 2016は今日初めて検索しましたが、前述の他の語はすべて一度は調べたような気がします。来年はどんな言葉がトレンドになるのでしょうね?!

Written by

記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
Follow me on Twitter (@HiromiGreen) and note (https://note.com/hiromigreen)

END