INTERPRETATION

第75回 本コラムの1年を振り返る

グリーン裕美

ビジネス翻訳・通訳で役立つ表現を学ぼう!

皆さん、こんにちは。いよいよ2016年も終わりが間近となり、本コラムも今年の最終回となりました。そこでこの1年の特集を振り返りたいと思います。冬休みでいつもより少し時間に余裕があるという方、リアルタイムで逃した方、今回のリンクを利用してぜひゆっくり過去の記事もお読みください。

1.Brexit(イギリスのEU離脱)関連

今年の夏はどのメディアもBrexitを取り上げていましたが、イギリス発信の本コラムは2月から11月にわたり何度も話題にしました(第36回第39回第51回第54回第65回第69回)。実際にはまだ具体的な動きがないため、最近はあまりニュースになりませんが、2017年に正式な離脱手続きが始まることになっているので、来年も注目の話題です。

2.アメリカ大統領選、グローバル化

Brexitの騒ぎが落ち着いたころからは世界の関心がアメリカ大統領選に移りましたね。本コラムではトランプ氏の主張の一つ、「グローバル化反対」を懸念しグローバル化のメリットやデメリットについて第67回~第69回で考察しました。

トランプ氏の当選後は、いくつかの新語も生まれたのでTrumponomics(第71回)、Trumpflationなどを紹介しました。こちらも来年早々トランプ氏がついに大統領に就任することになっているので、続編は避けられないことでしょう。

3.類語をまとめて覚えよう! (増加・減少・横ばい・改善・悪化)

第40回第44回では、数字と合わせて使われる言葉をまとめて紹介しました。通訳の場では、数字そのものを正確に訳すことに加えて、その数字が何を意味するのか(増加しているのか、減少しているのか、横ばいなのか)も伝える必要があります。そんな場面で役立つ表現を集めました。

4.Buzzwords

第32回第35回ではバズワードと呼ばれる表現を取り上げました。ビジネスの場で、バズワードを聞いたときにピンとくれば正確に訳出しすることができます。

5.保険用語

第61回第64回は、知っていそうで意外にややこしい保険用語を取り上げました。自動運転車の普及と保険業界の関係を知りたい方は第64回をお読みください。

その他、交渉に役立つ表現は第55回第58回、マネジメント用語は第46回第48回以外にも単発で様々なビジネスニュースを取り上げたので、お正月休みの学びの題材になれば幸いです。

ところで、あなたにとって2016年はどんな1年でしたか? 恐らくどなたにとっても、良いこともあれば嫌なこともあったかと思います。なるべく常に前向きな姿勢を保っているつもりの私でさえ(?)、実は仕事でもプライベートでも落ち込みたくなることも結構ありました。体調を崩して起き上がれない日もありました。でもすべてを学びと受け止め、七転び八起きの精神で少しずつ前に進んでいます。

本コラムのおかげもあって、新たな学びのネットワークも広がりました。TwitterFacebookなどのメディアを通して向上心の高い人々に多く出会い、共に学び、互いに刺激し合うこともできました。感謝しています。

皆さまにとっても学びの多き1年であったことを願います。また本コラムが皆さまの学びに少しでもお役に立っていれば何よりです。

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記事を書いた人

グリーン裕美

外大英米語学科卒。日本で英語講師をした後、結婚を機に1997年渡英。
英国では、フリーランス翻訳・通訳、教育に従事。
ロンドン・メトロポリタン大学大学院通訳修士課程非常勤講師。
元バース大学大学院翻訳通訳修士課程非常勤講師。
英国翻訳通訳協会(ITI)正会員(会議通訳・ビジネス通訳・翻訳)。
2018年ITI通訳認定試験で最優秀賞を受賞。
グリンズ・アカデミー運営。二児の母。
国際会議(UN、EU、OECD、TICADなど)、法廷、ビジネス会議、放送通訳(BBC News Japanの動画ニュース)などの通訳以外に、 翻訳では、ビジネスマネジメント論を説いたロングセラー『ゴールは偶然の産物ではない』、『GMの言い分』、『市場原理主義の害毒』などの出版翻訳も手がけている。 また『ロングマン英和辞典』『コウビルト英英和辞典』『Oxford Essential Dictionary』など数々の辞書編纂・翻訳、教材制作の経験もあり。
向上心の高い人々に出会い、共に学び、互いに刺激しあうことに大きな喜びを感じる。 グローバル社会の発展とは何かを考え、それに貢献できるように努めている。
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