INTERPRETATION

第95回 「解決する」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

iron out 解決する

Although the team won the match, the captain says there are some issues to iron out.

チームは試合に勝ったものの、解決するべきいくつかの課題があるとキャプテンは述べています。

 ironは「アイロン」という名詞のほかに、「アイロンをかける」という動詞としても用います。今回ご紹介するiron outは「アイロンでしわを伸ばす」という句動詞ですが、ほかにも「(問題などを)解決する」という意味があります。ぐちゃぐちゃの状態からしわを伸ばしてきれいにするかのようなイメージが思い浮かびますよね。過日行われたサッカー日本代表対オーストラリアの試合では日本が2対1で勝ち、その様子は英字新聞The Japan Newsでも大きく取り上げられていました。その中でSean Carroll記者は”Maya Yoshida said there are still creases to be ironed out.”と吉田麻也選手について記しています。creaseは「しわ」ですので、「課題はまだある」という状況を表しているのがわかります。

 さて、ironは「鉄」という意味もありますが、なぜ化学記号ではFeなのでしょうか?これも語源を調べるとすぐにわかります。Feというのはラテン語のferrumから来ているのです。ちなみに「ナトリウム(Na)」は英語でsodiumで、Naはドイツ語のNatriumに由来します。一方、「銅(Cu)」はcopperで、ラテン語のcuprumから化学記号は来ています。

 本稿執筆の際に元素記号表を改めて眺めているのですが、色々な記号があり実に興味深いですね。原子番号95は「アメリシウム(Am)」、102は「ノーベリウム(No)」、99は「アインスタイニウム(Es)」、111は「レントゲニウム(Rg)」とあります。人名や国名が付いているのを見ると、化学の進歩を感じます。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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